2023/08/23

パーキンソン病のセルフチェック|パーキンソニズムとの違いも解説

「パーキンソン病のセルフチェックについて知りたい」こんなお悩みを解決できる記事です。 パーキンソン病は、病状が進行していく厚生労働省が定める難病の一種です。 しかし、日本神経学会は、「早期パーキンソン病を未治療のまま経過観察するリスクを考慮し、特別な理由がない限りにおいて、診断後できるだけ早期に治療開始することを提案する※1」としているため、早期発見が重要です。 この記事では、パーキンソン病で見られる症状を元にセルフチェックを紹介していますので、少しでも疑いがある場合はかかりつけ医に相談してください。 また、パーキンソニズムとの違いについても解説しているので、ぜひ参考にしてください。 ※1:引用:日本神経学会「CQ1早期パーキンソン病の治療はどのとうに行うべきか」

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パーキンソン病の症状の全体像

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パーキンソン病の症状は、大きく「運動症状」と「非運動症状」に分けられます。運動症状としては、振戦(ふるえ)、筋強剛(こわばり)、無動・動作緩慢、姿勢保持障害、歩行障害などが挙げられます。一方で、睡眠障害、自律神経障害、精神・認知症状、嗅覚障害、痛みや倦怠感といった非運動症状もみられます。 これらの症状の中にはパーキンソン病に比較的特徴的なものもあり、早期発見の手がかりになることがあります。ただし、症状の出方には個人差が大きいことを前提に理解する必要があります。

運動症状のセルフチェックの視点

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運動症状では、安静時にみられる規則的なふるえ(1秒間に4〜6回程度)や、動くと軽減する振戦が特徴的です。また、動作が全体的に遅くなる、表情が乏しくなる、字が小さくなる、声が小さくなるといった無動・動作緩慢も重要なサインです。 筋強剛では、自分では力を抜いているつもりでも、他者が関節を動かすと一定の抵抗やカクカクした引っかかりが感じられます。さらに、歩幅が小さくなる、歩き出しが困難になる、方向転換が難しい、腕の振りが減るといった歩行障害もみられます。振戦・無動・筋強剛は初期に現れやすいとされますが、どの症状から始まるかは人によって異なります。

非運動症状のセルフチェックの重要性

パーキンソン病では、非運動症状が運動症状の発症よりもかなり前から出現することがあります。睡眠障害(不眠、日中過眠、突発的睡眠、レム睡眠行動障害、下肢静止不能症候群)、自律神経症状(起立性低血圧、頻尿、便秘、発汗異常、嚥下のしにくさ)、精神症状(うつ、意欲低下、幻覚)、認知機能の低下、嗅覚障害、痛みや倦怠感などが代表的です。 とくに嗅覚障害は患者の約9割にみられるとされますが、自覚がない場合も少なくありません。本人だけでなく、家族の観察が早期発見の鍵となることがあります。

パーキンソン病とパーキンソニズムの違い

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パーキンソニズムとは、パーキンソン病と似た運動症状を示すものの、原因が異なる状態を指します。脳卒中、脳腫瘍、頭部外傷、神経変性疾患、薬剤(抗精神病薬など)、毒性物質などが原因となることがあります。 パーキンソン病ではドパミン減少が中心的な病態ですが、パーキンソニズムでは原因が多様であり、レボドパなどの治療薬が十分に効かない場合もあります。そのため、両者を区別し、適切な診断と治療を行うことが重要です。

セルフチェックの位置づけと医療相談

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セルフチェックはあくまで気づきのきっかけであり、診断を確定するものではありません。パーキンソン病の診断には、医師による問診、神経学的診察、必要に応じた検査が不可欠です。 症状が軽微であっても、「いつもと違う」と感じる変化が続く場合は、早めにかかりつけ医へ相談することが推奨されます。進行性の疾患であるため、早期に治療を開始することが生活機能の維持につながります。

まとめ

パーキンソン病は、運動症状と非運動症状の双方を伴う疾患であり、初期にはふるえや動作の遅さだけでなく、睡眠や嗅覚、気分の変化など多様なサインが現れます。これらの症状は個人差が大きく、診断には専門的評価が必要です。セルフチェックは早期受診のきっかけとして活用し、疑わしい症状があれば速やかに医療機関へ相談することが、適切な治療と生活の質の維持につながります。