2021/08/18
厚生労働省と経済産業省・総務省らで作られた「3省2ガイドライン」があります。医療情報を取り扱う事業者が準拠すべき、医療情報に関するガイドラインのことを表します。3省が作った2つのガイドラインという意味で、3省2ガイドラインとなっています。今回はこの3省2ガイドラインについて紹介したいと思います。
厚生労働省が策定しているのは「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」です。このガイドラインでは、電子的に医療情報を取り扱う際の責任のあり方、電子保存に求められる要件、診療録や診療に関する記録を外部保存する際の基準などが示されています。医療情報は診療の根幹をなすものであり、その安全管理は医療機関の管理者責任のもとで行われるべきものと位置付けられています。
医療情報の収集、保管、破棄は医療法や個人情報保護法、守秘義務の観点から適切に行われなければなりません。特にインターネット上での保存は大量漏洩のリスクを伴うため、各医療機関がメリットとデメリットを把握し、管理責任を明確にする必要があります。 情報保護責任には、通常運用における責任、説明責任、管理責任の三要素があります。システムの機能や運用が基準を満たしていることを文書化し、定期監査を行い、その結果を明確に記録し、問題があれば是正し、第三者が検証可能な状態にすることが求められます。外部事業者に委託している場合でも、最終的な責任は医療機関側にあり、定期報告の受領や監督体制の確立が必要とされています。
法的保存義務のある診療録等を電子保存する場合、真正性、見読性、保存性の確保が不可欠です。 真正性とは、正当な権限で作成された記録が改ざんや消去、混合されず、責任の所在が明確であることを意味します。外部保存時も転送途中での改ざん防止が必要です。 見読性とは、診療、説明、監査、訴訟などの場面で支障なく検索、閲覧できる状態を保つことです。電子媒体はそのままでは閲覧できないため、アプリケーション依存や媒体分散などに配慮し、紙と同等の可読性を確保しなければなりません。 保存性とは、法定保存期間中に真正性と見読性を維持できることを指します。ウイルス感染、不適切なソフトウェア、媒体劣化、機器不整合などがリスクとして挙げられ、特にウイルス対策は重要課題とされています。
経済産業省は「医療情報を取り扱う情報システム・サービスの提供事業者における安全管理ガイドライン」を策定しています。これは医療機関そのものではなく、医療情報システムを提供する事業者を対象としています。 そこでは、医療機関との契約に基づく責任分担、安全管理体制、リスクマネジメント、制度上の要求事項などが整理されています。医療分野ではオンライン診療やドローン配送、電子カルテの普及、マイナンバーカードの活用などICT化が急速に進んでおり、事業者側にも高い情報管理水準が求められています。
社会全体でICT化が進む中、医療分野も例外ではありません。電子化やクラウド保存は利便性を高める一方で、サイバー攻撃や個人情報漏洩のリスクを高めます。医療情報は極めて機微性の高い個人情報であるため、より厳格な安全管理が求められます。 今後も医療のICT化は進展していくと考えられますが、安全性、責任体制、法令遵守を確実にしなければ、患者の信頼は維持できません。
厚生労働省と経済産業省のガイドラインは、医療情報の電子化が進む中で、安全性と責任体制を制度的に担保するために整備されてきました。真正性、見読性、保存性の確保に加え、説明責任と管理責任を明確にすることが重要です。ICT化は不可避ですが、その基盤となるのは患者情報を守る強固な安全管理体制であり、それこそが医療への信頼を支える前提となります。
3月は、スギ花粉の飛散がピークを迎える季節です。「なんだか鼻がムズムズする」「喉がイガイガする」といった症状は、多くの日本人にとって春の風物詩ともいえるでしょう。しかし特に高齢の方の場合、こうした症状が単なる花粉症や風邪ではなく、もっと深刻な「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」のサインである可能性が潜んでいます。訪問診療の現場でも、「花粉症だと思っていたら、実は誤嚥が始まっていた」というケースに出会うことがあります。 本記事では、誤嚥性肺炎の予防方法についてわかりやすく解説します。ご家族やご自身の健康を守るためにも、ぜひ参考にしてください。
「なんとなく元気がない」は春のサイン? 「昨日まで元気だったのに、今日は食事が進まない」「夜中に何度も目が覚めて、昼間もぼんやりしている」 訪問診療でご自宅にお伺いすると、3月ごろからこんなご相談が増えてきます。検査しても異常が見つからない。でも明らかに「いつもと違う」。その背景に「春の寒暖差」による自律神経の乱れが関係していることが少なくありません。本記事では、春の寒暖差と自律神経の関係、そしてその予防方法についてわかりやすく解説します。ご家族やご自身の健康を守るためにも、ぜひ参考にしてください。
「最近、昼間なのにウトウトしてしまう」 「家族がずっとぼんやりしていて心配…」 高齢者の中には、日中に強い眠気を感じる「傾眠傾向」が見られることがありますが、単なる疲れと見過ごしてしまうことも少なくありません。傾眠傾向は、体力の低下や病気、薬の副作用など、さまざまな原因で引き起こされるため、注意が必要です。本記事では、傾眠傾向の特徴や原因、具体的な対処法について詳しく解説します。大切な人の健康を守るためにも、ぜひ参考にしてください。
「急に怒り出したり、話が通じないことが増えた」 「最近、問題行動が多くなってきた」 高齢の家族に見られるこうした変化は、認知症による「問題行動」かもしれません。認知症の進行に伴って、本人も家族も戸惑うような行動が見られることがあります。しかし、こうした問題行動には、認知症が引き起こす不安や混乱が影響しているため、家族だけで対処するのが難しい場合も少なくありません。 本記事では、認知症の問題行動の特徴や対処法について解説します。大切な人のために、少しでも穏やかで安心できる生活環境を整えるためにも、ぜひ参考にしてください。
「食事中にむせることが増えた」 「飲み込むのが大変そうになっている」 高齢の家族に見られるこうした変化は、嚥下機能の低下によるものかもしれません。嚥下機能の低下は、食事の楽しみを奪うだけでなく、誤嚥性肺炎や栄養不足といった健康リスクを引き起こす可能性があります。しかし、嚥下機能低下は早期のケアや適切な対策によって予防・改善が可能です。 本記事では、嚥下機能が低下する原因や具体的な対策について解説します。
「夜中に急に落ち着かなくなり、家の中を歩き回る」 「普段は穏やかなのに、突然怒り出したり、不安そうにしている」 ご家族にこうした行動が見られると、認知症かもしれないと心配になりますよね。しかし、それは認知症ではなく、せん妄かもしれません。せん妄は認知症と似ていますが、症状が突然現れるため、急激な変化に周囲の人は心配になってしまうことも多いです。 本記事では、せん妄の症状や原因、認知症との違い、そして予防法について解説していきます。