2021/06/28

遺伝子疾患の中で難病とは?遺伝子検査や高齢出産について解説します

遺伝子と聞くと少し怖いイメージを持つ方がいるかもしれません。世間では遺伝子組みかえなど、技術の進歩はありますがあまり良いイメージを持っていないですよね。今回は遺伝子の中でも遺伝子が原因で発症する病気について紹介していこうと思います。また、遺伝子疾患の中には難病指定されているものがあります。それらについても紹介していきます。

代替画像

遺伝子とDNAの基礎

画像

遺伝子はデオキシリボ核酸(DNA)と呼ばれる物質でできており、私たちの体をつくる“設計図”の役割を担っています。DNAにはタンパク質をつくる情報が含まれ、細胞の働きや体の特徴を決めています。DNAは二重らせん構造を持ち、4種類の塩基配列の組み合わせによってアミノ酸がつくられます。遺伝子を多く含む染色体は通常2本で1組ですが、これが3本になるとトリソミーと呼ばれ、ダウン症などの原因になります。細胞分裂の過程で突然変異が起こることもありますが、がん細胞そのものが子どもに遺伝するわけではありません。

形質と遺伝子疾患

画像

形質とは身長や体重、髪質、食欲などの特徴のことを指し、一部は遺伝子によって決まります。遺伝子疾患は遺伝子や染色体の異常が原因で発症する病気です。 代表的な疾患には、 ・ダウン症(21番染色体のトリソミー) ・エドワーズ症(18番染色体のトリソミー) ・パトウ症候群(13番染色体のトリソミー) などがあります。いずれも染色体の数の異常が原因で、重症度や予後は疾患ごとに異なります。

高齢出産とリスク

高齢出産は一般に35歳以上での初産を指します。年齢とともに卵子の質が低下し、染色体異常のリスクが高まることが知られています。例えば、卵子の分裂異常は25歳で約1351人に1人ですが、40歳では約112人に1人と大きく増加します。流産率も年齢とともに上昇します。 また、母体側のリスクとして妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病があり、特に妊娠糖尿病は35歳以上で若年層の8倍以上のリスクがあるとされています。近年は35歳以上で出産する女性の割合が約3割に達しており、高齢出産は珍しいことではなくなっています。

出生前診断の種類

画像

出生前診断は、出産前に胎児の状態を知るための検査です。 主な検査には、 ・エコー検査(形態や発育の確認) ・母体血清マーカー検査(確率評価) ・NIPT(母体血から染色体異常を調べる) ・羊水検査(確定診断、流産リスク約0.3%) ・絨毛検査(早期に実施可能だが対応施設が限られる) などがあります。非確定検査で陽性が出た場合は、確定検査が必要になります。それぞれ利点とリスクがあり、十分な説明を受けたうえで選択することが大切です。

遺伝子疾患との向き合い方

画像

遺伝子疾患が疑われたときや実際に診断されたとき、感じ方や選択は人それぞれです。「知れてよかった」と感じる人もいれば、「知らない方がよかった」と思う人もいます。どの選択も、その人なりの正解です。 難病指定の疾患であれば公的支援制度を活用できます。遺伝子疾患は特別なものというより、その人の個性の一部と捉える視点もあります。正しい知識を持ち、必要な支援を受けながら、家族で納得できる形を選ぶことが何より大切です。

まとめ

遺伝子は私たちの体を形づくる大切な設計図であり、その異常が原因でさまざまな疾患が起こります。高齢出産や出生前診断など、現代医療は多くの選択肢を提供していますが、最終的な判断は家族一人ひとりの価値観に委ねられます。正しい知識を持ち、冷静に情報を整理することが、不安を減らし、自分たちらしい選択につながるのではないでしょうか。