2023/11/22
認知症になると、銀行や証券会社の口座が凍結され、たとえ家族であっても預貯金などを動かせなくなることがあります。 本記事では、認知症によって口座が凍結されてしまう理由とその対処法について詳しく解説していきます。いざという時にトラブルにならないために、ぜひ参考にしてください。
認知症によって銀行口座が凍結されると、本人の預金を自由に引き出すことができなくなります。年金が振り込まれても生活費として使えず、通院費や介護費を本人の口座から支払うこともできません。その結果、家族が一時的に立て替える必要が生じ、家計への負担が大きくなります。本人にとっても家族にとっても深刻な問題となるため、口座凍結は可能な限り避けたい事態です。
金融機関が口座を凍結する目的は、本人の財産を守ることにあります。認知症では判断能力が低下し、取引内容を十分に理解できなくなったり、高額契約をしてしまったり、詐欺被害に遭いやすくなったりします。こうしたリスクを防ぐため、銀行は慎重な対応を取ります。 凍結のきっかけは、家族が認知症であることを伝えた場合や、窓口対応の中で判断能力の低下が疑われた場合です。通帳や印鑑の頻繁な紛失、同じ手続きの繰り返し、不正がないのに不正を主張するなどの行動が続くと、凍結措置が取られることがあります。
口座が凍結されると、たとえ家族であっても自由に預金を引き出すことはできません。家族だから安心というわけではなく、実際には親族による使い込みなどの問題もあるため、金融機関は厳格な対応を取ります。財産の管理は法律に基づいた手続きが必要となります。
凍結後に利用できる代表的な制度が成年後見制度です。これは、判断能力が不十分になった人を法的に支援する制度で、後見人が財産管理や契約行為を代行します。後見人が選任されれば、必要な手続きを経て口座の管理が可能になります。 しかし、成年後見制度には注意点があります。原則として途中でやめることはできず、利用開始までに数か月を要します。さらに、財産は裁判所の管理下に入り、大きな支出や不動産処分には裁判所の許可が必要です。また、家族が後見人に選ばれるとは限らず、多くの場合は専門職が選任され、毎月の報酬負担も発生します。
将来の口座凍結に備える方法として有効なのが任意後見制度です。これは、判断能力が十分にあるうちに、自ら選んだ人に財産管理を任せる契約を結ぶ制度です。認知症などで判断力が低下した際に、あらかじめ決めた任意後見人が預金管理を行えるため、口座凍結への備えとなります。 ただし、手続きには時間がかかり、任意後見監督人への報酬も必要です。それでも、本人の意思を反映できる点で、安心感のある制度といえます。
認知症による口座凍結は、本人の財産保護を目的とした措置ですが、生活費や医療費の支払いができなくなるなど、大きな影響を及ぼします。凍結後は成年後見制度による対応が基本となりますが、手続きや費用の負担が伴います。そのため、判断能力が十分にあるうちに任意後見制度などの事前対策を検討し、家族で話し合っておくことが重要です。
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