2019/09/20

訪問診療に従事する医師の仕事内容を紹介

訪問診療では、医師をはじめとする医療従事者の連携により診療が円滑に行われています。もちろん、患者様やご家族の協力なしでは診療できません。そこで、今回は訪問診療に関わる医療従事者の役割を紹介するとともに、医師の仕事内容についても紹介していきます。

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訪問診療とは?

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訪問診療とは、医師が患者様のご自宅や入居している高齢者施設などへ定期的に訪問し、医療を提供する在宅医療の一つです。医療は大きく「外来医療」「入院医療」「在宅医療」の3つに分類され、訪問診療はこの在宅医療に含まれます。 外来医療は患者様が医療機関へ出向いて受ける医療、入院医療は病院や有床診療所へ入院して受ける医療です。一方、訪問診療では医師が患者様の生活の場へ出向き、診療や治療、薬の処方、療養に関する相談などを行います。

訪問診療と往診の違い

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訪問診療と混同されやすい言葉に「往診」があります。どちらも医師が自宅などへ訪問する医療ですが、性質は異なります。 訪問診療は、医師があらかじめ計画を立て、1週間〜2週間に1回など定期的に訪問する医療サービスです。診療や治療だけでなく、患者様の希望や生活状況、経済的事情も踏まえながら療養計画を立てていきます。外来診療よりも患者様と向き合う時間が長くなることも多く、総合的な視点で診療が行われます。 一方、往診は不定期に行われる医療サービスで、急病や体調急変など突発的な状況に対応します。患者様やご家族からの要請があって初めて訪問が行われる点が特徴です。日頃からホームドクターとして関係を築いている医師が対応します。

訪問診療に関わる主な医療従事者

訪問診療は、医師を中心に多職種が連携して成り立っています。 医師は診断と治療方針の立案を担い、注射や点滴療法などの医療行為について指示を出します。 看護師は医師の診療補助を行い、訪問看護では訪問看護指示書に基づいて注射や点滴、尿道留置カテーテルの交換などの医療的処置や療養支援を行います。患者様やご家族への療養に関する助言も重要な役割です。 理学療法士は、立つ・歩くといった基本動作の維持や回復を目的としたリハビリテーションを担当し、通院が困難な患者様の生活動作を支えます。 作業療法士は、入浴や食事などの日常生活動作に加え、料理や手芸などの作業活動を通じて、身体面だけでなく精神面のリハビリテーションを行います。 言語聴覚士は、発語や嚥下機能のリハビリテーションを担当します。高齢者に多い嚥下障害は誤嚥性肺炎につながるリスクがあり、日本人の死亡原因第3位である肺炎の多くが後期高齢者の誤嚥性肺炎とされています。高齢化社会において需要が高まっている職種です。

医療職以外で訪問診療を支える人たち

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訪問診療には、医療職以外の専門職も関わっています。 訪問診療コーディネーターは、患者様・ご家族と医療従事者をつなぐ存在です。治療歴や病状の情報共有、訪問ルートや駐車場の確認などを行い、円滑な診療を支えます。 薬剤師は、医師の処方箋に基づき薬を調剤し、患者様のご自宅や施設へ薬を届けます。 ケアマネージャーは、介護保険を利用する際に関わり、介護サービスの調整や相談対応を行い、医療と介護をつなぐ役割を担います。

訪問診療における医師の仕事内容と役割

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訪問診療における医師の主な仕事は、定期的な訪問による問診・診察、必要に応じた検査、病状や治療の評価です。訪問看護が必要と判断した場合には「訪問看護指示書」を発行し、注射や点滴が必要な場合には関連する指示書も作成します。 医師はまた、薬剤師・看護師・理学療法士・作業療法士など多職種と連携する**ハブ(中継点)**の役割を担います。患者様やご家族の希望を共有しながら、療養全体を調整していく存在です。

まとめ

訪問診療は医師だけでなく、多くの医療従事者と支援職が関わるチーム医療です。すべての職種に共通しているのは、患者様に安定した療養環境を提供し、その人らしい生活を支えたいという思いです。日本は超高齢化社会を迎え、医療は入院中心から在宅中心へとシフトしています。訪問診療は、病院とほぼ同様の医療を生活の場で受けられる選択肢の一つです。入院が難しくなってきている今だからこそ、在宅医療という選択肢について一度相談してみてはいかがでしょうか。