2019/08/31

自宅で最期を迎える人にとって、看護師がどのような関わりをしてくれるか

あなたは人生の最期をどのように迎えたいですか? 唐突にこんな質問を投げかけられたとき、即答できる人は少ないのではないのでしょうか。人生の最期について考えたことはない方でも、家族や友人など身近な人の最期に立ち会うと自分の最期はどう過ごそうかと考えるのではないでしょうか。最近は、著名人が最後は自宅で家族に見守られながら旅立ったという報道を耳にする機会もあったりと、自分らしく住み慣れた場所で身近な人に囲まれながら、穏やかで安らかな満足した最期を迎えたいと考える方も増えてきています。 さて、今回は自宅で最期を迎えたいと考えている方にとって、訪問看護師がどのように関わっていくのかをご紹介していきます。

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自宅で最期を迎える人はどれくらいいるのか

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2017年時点の日本の年間死亡者数は約134万人であり、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」によると、2035年には約160万人を超えると予測されています。2007年に超高齢社会へ突入した日本では、今後も死亡者数が増加していくと考えられています。 人生の最期を迎える場所は時代とともに変化してきました。1951年には全死亡者の約8割が自宅で死亡していましたが、医療技術の進歩とともに病院での死亡が増加し、2009年には病院で最期を迎える人が約8割、自宅は約1割となりました。近年では、住み慣れた場所で余生を過ごし、最期を迎えたいと考える人も増え、在宅医療への関心が再び高まっています。

自宅で最期を迎えるにあたっての主な課題

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自宅で最期を迎えることには、本人と家族にとって安らぎがある一方で、いくつかの課題も存在します。 まず大きな課題が人手の確保です。在宅医療では患者は24時間自宅で生活するため、食事、清潔、排泄、移動、服薬管理など日常生活全般の支援が必要になります。介護サービスを活用することで負担を軽減できますが、夜間対応など家族の関与が不可欠な場面も少なくありません。家族内で役割分担を行い、介護サービスを適切に利用することが重要です。 また、患者本人と家族の意見の相違も課題となります。患者が在宅療養を希望しても、家族が治療継続を望む場合、意思決定が難航することがあります。このような場合には、医師や看護師との十分な話し合いや、セカンドオピニオンの活用が重要となります。

患者の意思と住環境に関する問題

患者が自宅で最期を迎えたいという意思は、病状の進行や身近な人の死、メディアの影響などにより変化することがあります。死を受け入れられなくなり、延命治療を強く望むようになるケースもあり、本人の心理状態を理解した支援が求められます。特に認知症の場合、意思確認が難しく、家族が判断を担う場面も少なくありません。 さらに、自宅の環境整備も重要な課題です。手すりの設置、歩行器や車椅子の準備、ポータブルトイレの使用、寝たきりになった場合の排泄介助など、身体状況に応じた環境調整が必要となります。これらは在宅医療を継続するうえで欠かせない要素です

在宅医療における看護師の役割

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在宅医療において看護師は、訪問診療医に同行し診療補助を行うだけでなく、医師の指示のもとで採血、血圧測定、点滴投与、医療処置、健康状態の観察を担います。また、利用者とその家族への生活支援や助言も重要な役割です。 床ずれ予防のケアや季節に応じた生活の工夫、在宅での看取りにおいては身体的苦痛を和らげ、不安を軽減する支援を行います。看護師は医師に比べて相談しやすい存在であり、身近な医療専門職としての役割が期待されています。

まとめ

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在宅で最期を迎える人やその家族にとって、看護師は意思決定支援や心身のケアを担う重要な存在です。延命治療の有無などについて患者と家族の思いを確認し、主治医や多職種と情報共有を行います。 また、不安や恐怖、不眠など心理的な側面にも寄り添い、必要に応じて他の専門職と連携します。最期が近づくにつれて、生活の質が保たれているかを観察し、家族が死と向き合えるよう支援することも看護師の重要な役割です。