2019/11/08

看取りに大切なターミナルケア!患者さんだけでなく家族のケアも行い最期を迎えましょう

ターミナルケアという言葉を聞いたことはありますか?終末期医療を意味する言葉で、患者さんの残された時間を充実させるために行う医療です。ターミナルケアと聞くと、どうしてもマイナスな印象を受ける方がいますが、患者さんやそのご家族からすれば今までの辛い治療から解放され、穏やかな毎日を送ることができ良いこともあります。そこで、今回はターミナルケアの活用方法だけでなく、ターミナルケアが患者さんやその家族へどのような効果を出すのか紹介していきます。

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ターミナルケアとは何か、緩和医療との違い

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ターミナルケアとは、病気や老衰などで余命いくばくもない人を対象に、生活の質を向上させることを目的とした医療です。通常の治療や延命処置は行わず、病気による苦痛や不快感を和らげながら、自然に死を受け入れられるよう支援します。 緩和医療と似た言葉ですが、緩和医療は主にがんに対する疼痛管理で、抗がん剤や放射線療法など治療を続けながら行われます。一方、ターミナルケアはがんに限らず全ての疾患が対象であり、治療や延命処置を行わない点が特徴です。

安楽死とターミナルケアに対する社会的な考え方

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日本では安楽死は認められていません。過去に安楽死とみなされる事案が報じられたことはありますが、諸外国と比べると極めて少ないのが現状です。 平成15年に厚生労働省が行った終末期医療に関する意識調査では、痛みを伴う末期状態において「単なる延命治療」に反対した人が約75%いました。また、その後の処置について「苦痛を和らげることに重点を置く」と回答した人は、医療関係者で約80%、一般国民でも約60%にのぼっています。安楽死を求めていなくても、ターミナルケアや緩和医療を望む人は多いことがわかります。

3種類のターミナルケア(身体・精神・社会)

ターミナルケアは大きく「身体的ケア」「精神的ケア」「社会的ケア」の3つに分けられます。 身体的ケアでは、投薬による疼痛緩和、経管栄養法による栄養補給、排泄処理や入浴補助、着替えなどの介護が含まれます。これらはケアマネージャーやヘルパーに依頼することで、家族の負担を軽減できます。 精神的ケアでは、死に対する不安や孤独感への対応が中心となります。日常会話を通じて、患者さんが一人ではないことを伝え、過ごしやすい環境を整えることが重要です。 社会的ケアでは、医療費や介護費用など経済的な負担への対応や、役割喪失感による精神的な落ち込みに配慮し、ソーシャルワーカーへの相談や家族との十分なコミュニケーションが求められます。

ターミナルケアにおける多職種と家族の役割

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ターミナルケアは、医師や看護師だけで行われるものではありません。心理カウンセラー、ケアマネージャー、ソーシャルワーカーなどが連携し、患者さんだけでなく家族のケアも行います。 患者さんに対しては、医師や看護師が疼痛管理を行い、心理カウンセラーが死への不安を和らげます。家族に対しては、医療費負担の相談や、家族を失うことによる精神的負担への支援が行われます。ターミナルケアは、患者さんと家族の双方が最期まで支えられる体制を整える役割を担っています。

看取る場所によるターミナルケアの違い

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ターミナルケアを行う場所は、自宅・介護施設・病院などさまざまです。 自宅での看取りは、住み慣れた環境で過ごせるため精神的負担が少なく、経済的負担も比較的抑えられます。一方で、家族の介護負担が大きくなり、医療機関によっては急変時の対応に不安が残ることもあります。 介護施設での看取りは、介護職が日常生活を支援するため家族は寄り添うことに集中できますが、入居費用や面会時間の制限が課題となります。 病院での看取りは、医療従事者が近くにいる安心感がありますが、ターミナルケアが保険診療で可能なのはがん患者とエイズ患者に限られており、面会時間にも制限があります。

まとめ

現在では、苦しい治療を続けながら最期を迎える医療は少なくなりつつあります。治療の効果が見られず、辛い治療から解放されたいと患者さんが感じたとき、ターミナルケアという選択肢があります。治療よりも生活の質を重視し、穏やかな時間を過ごすことは、患者さんにとっても家族にとっても大切な考え方です。疑問や不安がある場合は、医療・介護の専門職に相談しながら、その人らしい最期を迎える形を考えていくことが重要です。