2021/08/11

新型コロナウイルスワクチンの世界接種割合と接種のトラブル

新型コロナウイルス感染症の切り札として期待されたワクチン。政府は接種を進めていますが、感染者数はいまだ増加し続けています。東京都内だけでなく、大阪府などでも感染拡大が続き、今や国内で感染抑制をするのは困難となっているのです。そんなコロナを抑える起爆剤として期待されたワクチンは日本国内でどのくらい接種されているのでしょうか。また、世界ではどの程度接種が進んでいるのでしょうか。

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ワクチン確保までの動き

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2020年1月に日本で最初の新型コロナウイルス感染症患者が確認され、その後、国内感染は徐々に拡大しました。世界的流行となる中、日本政府は高齢者や基礎疾患を持つ人を優先接種の対象とする方針を示しました。2020年10月には欧米製薬会社とワクチン供給契約を締結し、モデルナ2500万人分、ファイザー6000万人分、アストラゼネカ1500万人分を確保しました。国民全員分を来年前半までに確保する方針を固め、住民票所在地の市町村を窓口とする接種体制を整えました。同時期、世界ではmRNAワクチンを含む開発が異例の速度で進み、ロシアではスプートニクVが承認されるなど、各国で実用化が加速していました。

特例承認という転機

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2020年12月18日、ファイザー社は日本で特例承認を申請しました。特例承認は通常約1年かかる医薬品審査を簡略化する制度であり、緊急性があること、代替薬がないこと、海外で同水準の承認があることの三条件を満たす必要があります。2009年の新型インフルエンザ流行時に初めて適用され、新型コロナでは治療薬レムデシビルに続く申請でした。海外ではイギリスが12月2日に世界で初めて承認し、アメリカも12月14日に接種を開始しました。一方、日本は感染者数が比較的少なく、治験参加者の確保が難しいという事情も抱えていました。

接種開始と供給課題

2021年2月から医療従事者約370万人への先行接種が始まり、その後、高齢者3600万人、基礎疾患のある人820万人、若年層へと順次拡大しました。しかし、世界的な需要の中で輸入に依存していた日本は、十分な供給を優先的に確保できませんでした。自治体による集団接種に加え、職域接種も開始されたことで、国内のワクチン不足がさらに顕在化しました。

人材不足と副反応

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接種には問診を行う医師、注射を行う看護師、会場スタッフ、急変時対応要員など多くの人材が必要でした。医師確保に苦慮する自治体も相次ぎ、大規模接種体制の構築は容易ではありませんでした。副反応としては注射部位の痛みや発熱、頭痛、倦怠感などが多く報告されました。重篤例としてアナフィラキシーショックもありますが、多くは現場で対応されています。2021年8月8日時点で接種後死亡は1002人報告されましたが、厚生労働省は因果関係を認めていません。

接種後の課題とブレイクスルー感染

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2回目接種後2週間程度で抗体が産生されるとされていますが、感染を完全に防ぐものではなく、主に重症化予防を目的としています。アメリカでは接種完了率が62パーセントであったにもかかわらず、マサチューセッツ州で陽性となった469例のうち74パーセントが接種済みでした。フランスも接種率70パーセントでありながら新規感染者数は増加していました。ワクチン接種だけで感染流行を完全に抑えることは難しく、継続的な感染対策が求められています。

まとめ

日本は感染拡大からワクチン確保、特例承認、接種開始へと急速に対応しました。しかし、供給不足、人材不足、副反応への対応、ブレイクスルー感染など多くの課題に直面しました。ワクチンは重症化予防に有効ですが万能ではありません。社会を安定させるためには、ワクチンに加えて治療薬の開発と基本的な感染対策の継続が不可欠です。