2021/02/10

小児における感染症ガイドラインを紹介!この病気で出席停止は何日?

新型コロナウイルスという新しい感染症の流行で人々の健康意識は180度変わりました。手洗いうがいなんてしたことなかったような人も今では帰宅すると手洗いうがいをしています。飲食店だけでなくホームセンターやコンビニエンスストアーでも店頭には消毒液が設置されており、感染症に対する人々の意識の変革を垣間見ることができます。 医療現場のこともテレビなどで紹介される機会が増えてきましたが、治療内容についてまではまだみなさんの知っていることが少ないと思います。そこで今回は治療方針はどのように決められているのかなどを話しつつお子さんの感染症にどう向き合っていけば良いかというテーマで進めていきます。

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子どもと感染症の基本

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子どもは成長の過程で必ず感染症を経験します。特に保育園や幼稚園、小学校など集団生活が始まると感染リスクは高まります。代表的な感染症には、インフルエンザ、溶連菌感染症、麻疹、風疹、おたふく風邪、水疱瘡などがあります。 インフルエンザは急激な高熱や関節痛を伴い、重症化するとインフルエンザ脳症を引き起こすこともあります。溶連菌は抗生物質で治療可能ですが、放置すると合併症のリスクがあります。麻疹や風疹はワクチンで予防でき、特に風疹は妊婦が感染すると胎児に影響を及ぼします。おたふく風邪や水疱瘡も予防接種で予防可能です。

学校保健法と出席停止の仕組み

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日本では学校保健法に基づき、感染症ごとに出席停止期間が定められています。エボラ出血熱、ペスト、コレラ、ジフテリア、SARS、COVID-19、ラッサ熱、細菌性赤痢などは「治癒するまで」出席停止となります。 また、一定期間を空ける必要がある感染症も明確に定められています。インフルエンザは小中学校・大学では発症後5日かつ解熱後2日、幼稚園では発症後5日かつ解熱後3日です。百日咳は特有の咳が消失するか、5日間の抗生物質内服後まで。麻疹は解熱後3日。おたふく風邪は唾液腺の腫脹が消失してから5日。風疹は発疹が消失するまで。水痘はすべての発疹が痂皮化するまで。咽頭結膜熱は主要症状が消退してから2日。結核は感染力がないと医師が判断するまで出席停止となります。 これらの基準は、子どもの回復と周囲への感染拡大防止の両立を目的としています。

小児感染症と抗菌薬の適正使用

「抗微生物薬適正使用の手引き」では、感冒や軽症の鼻副鼻腔炎など多くの上気道感染症に抗菌薬は不要と明記されています。無作為化比較試験でも、軽症例に抗菌薬を投与しても症状改善や合併症予防効果は認められていません。 理論上、重篤な細菌感染を1例防ぐために2,500人以上へ抗菌薬を投与する必要があるという試算もあり、予防目的の抗菌薬投与は推奨されていません。

抗菌薬が不要な場合と必要な場合の判断

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鼻汁や軽い咳、発熱が3日以内で全身状態が良好であれば、原則抗菌薬は不要とされています。一方、10日以上症状が続く場合や高熱と膿性鼻汁が持続する場合、再燃する場合などは重症・遷延例と判断され、抗菌薬投与を検討します。 化膿性副鼻腔炎ではアモキシシリンが第一選択とされ、肺炎などの合併症があれば適切な抗菌薬を選択します。つまり、すべての風邪に抗生物質が必要なわけではありません。

不安との向き合い方と医療の適正利用

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子どもの体調不良は保護者にとって大きな不安ですが、ガイドラインを参考に冷静に判断することが重要です。必要のない夜間受診は医療逼迫につながる可能性もあります。 迷ったときは救急安心センター「#7119」を活用することで、専門家の助言を受けることができます。情報が公開されている今こそ、正しい知識をもとに医療を適切に利用する姿勢が求められます。

まとめ

子どもは成長の中で多くの感染症を経験しますが、ワクチンや適切な治療、そして抗菌薬の正しい使い方によって重症化は防ぐことができます。すべての発熱や風邪症状に抗生物質が必要なわけではなく、ガイドラインに基づいた判断が重要です。不安を感じたときこそ正しい情報を活用し、必要なときに適切な医療を受けることが、子ども自身と医療体制の両方を守ることにつながります。