2019/09/13

在宅医療で日本が抱える問題点はこれ!問題点を理解して在宅医療と向き合おう

近年、在宅医療のニーズが高まっています。その背景には、日本政府の方針が関係しています。しかし、まだまだ在宅医療には問題点や課題があり利用者の方々のお悩みとなっているのではないでしょうか。そこで今回は在宅医療を取り巻く現状だけでなく、在宅医療が抱える問題点を挙げ、みなさまが在宅医療にどのように向き合っていけば良いか紹介していきます。

代替画像

在宅医療の歴史と制度の変化

画像

在宅医療は、年代によって捉え方が大きく異なります。1949年以前に生まれた世代にとって、医師が自宅へ来る医療は決して珍しいものではありませんでした。当時は、定期訪問ではなく、容態が急変した際に医師が訪問する「往診」が主流でした。 その後、生活習慣病の増加や交通機関の発達、自家用車の普及に加え、レントゲン・CT・MRIといった高度医療機器の導入により、医療は外来医療中心へと移行しました。現在でも、CTやMRIなどの精密検査は在宅医療では実施できず、医療機関を受診する必要があります。 一方で、病院へ通院できない患者への対応として、制度整備も進められてきました。1980年には自己インスリン注射指導が保険適用となり、1986年には寝たきり高齢者を対象とした訪問診療の概念が確立されました。さらに1996年には、在宅終末期医療における訪問診療・訪問看護が保険医療の対象となり、在宅医療を選択できる環境が整えられてきました。

医療費負担と国の方針転換

画像

日本は高齢化の進行とともに医療費が増大しています。70歳未満では医療費自己負担は3割、70〜74歳では2割、75歳以上では1割(※現役並み所得者は3割)とされていますが、医療費全体は社会保障費を圧迫しています。 その結果、病院数や看護師数に対して外来・入院医療の需要が追いつかなくなり、日本は病院医療から在宅医療へのシフトを進めています。医師や歯科医師に対して在宅医療を促す保険点数の設定も、その一環です。 また、患者側のニーズも明確になっています。厚生労働省の調査では、終末期の療養場所として約5割強が自宅や住み慣れた場所を希望し、終末期以外でも約4割が自宅療養を希望しています。最期の迎え方に個人の意思が反映される時代になってきたと言えるでしょう。

在宅医療の利用者数の現状

2014年度の患者調査(厚生労働省)によると、在宅医療の患者数は約15万人超と過去最多を記録しました。1996年から2005年までは7万人前後で推移していましたが、2011年に10万人を超え、以降増加が続いています。 一方、外来医療の利用者数は約351万人で、在宅医療の約23倍にあたります。新薬開発や医療技術の進歩により、通院治療が可能な疾患が増えたことも背景にありますが、在宅医療の利用者数は確実に増加傾向にあります。

在宅医療が抱える主な問題点

画像

在宅医療には理想的な側面がある一方で、課題も存在します。最も大きいのが家族への負担です。医療以外の日常生活の多くを家族が担う必要があり、ヘルパーがいない時間帯は家族対応が不可欠です。 厚生労働省の調査では、「子どもの家で介護してほしい」と回答した人は2.5%、「親族の家で介護してほしい」と答えた人は**0.5%**にとどまっています。多くの人が家族に迷惑をかけたくないと考えており、それが在宅医療への踏み切りをためらう要因になっています。 また、急変時への不安もよく挙げられます。しかし、近年の在宅医療機関の多くは24時間対応体制を整えており、急変時の判断や対応方法についても事前に説明を行っています。

後方支援と地域資源の活用

画像

在宅医療中に病状が急変し、入院が必要となった場合でも、医療機関が入院を拒否することはありません。在宅医療機関からの紹介状や、連携病院でのベッド確保が行われるケースが多く、外来医療や入院医療も選択肢として併用できます。 また、地域に在宅医療機関が見つからない場合は、現在通院している医療機関や地域包括支援センターへの相談が有効です。ケアマネージャーが介護や在宅医療に関する相談に対応し、必要な支援につなげてくれます。

まとめ

外来医療から在宅医療へのシフトは、国の医療改革だけでなく、患者自身のニーズによって進められてきました。在宅療養を希望する人は増加しており、それに伴い在宅医療の利用者数も増え続けています。一方で、家族の負担や急変時の対応などの課題も存在します。在宅医療を選択する際には、制度や支援体制を理解し、医療機関や地域資源を活用しながら向き合っていくことが重要です。