2019/10/04

在宅で最期を迎えたい人が抱える問題点をピックアップ!

日本は高齢化が問題となっていますが、それと同じくらい多死社会になっていることも現実です。ある調査では自宅で最期を迎えたいと願っている高齢者の4人に3人が病院で亡くなっているといいます。患者さんは医療の質と同様に生活の質を求める現代の医療で、最期を迎える場所を自分自身で選ぶことは生活の質に大きく関係するのではないでしょうか。そこで、今回は自宅で最期を迎えたいと考えている方が直面する問題点について紹介していこうと思います。

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在宅医療は「選ばれる医療」になっている

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厚生労働省の2014年患者調査では、在宅医療の利用者数は約15万人超と過去最多を記録しました。一方、外来医療の利用者数は351万人で、在宅医療との間には約23倍の差があります。 しかし、内閣府の2018年調査では: 終末期の療養場所として約5割強が自宅を希望、 終末期でなくても約4割が要介護状態でも自宅療養を希望 と回答しています。 在宅医療は「通院できないから仕方なく選ぶ医療」ではなく、自ら選択する医療へと変化しています。

在宅医療の現状と地域差

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在宅医療の体制は十分とは言えません。日本医師会の調査では、在宅医療に携わる医師の7割以上が24時間対応に負担を感じているとされています。 また、人口10万人あたりの在宅療養支援病院数には地域差があり: 徳島県:1.25施設、 栃木県:0.05施設 と大きな開きがあります。 訪問看護でも同様で、長野県は利用率・自宅死亡率ともに高く、佐賀県は低い傾向にあります。在宅医療の普及度には地域差があるのが現状です。

在宅医療を選ぶ際の主な不安

家族への負担: 医師や看護師が訪問しても、夜間や日常生活の介助は家族が担います。調査では、要介護状態でも「子どもや親族に介護してほしい」と答えた人は約4割にとどまり、家族に迷惑をかけたくないという心理がうかがえます。 急変時の対応: 在宅医療では急変時への不安がつきものですが、24時間対応の診療所や訪問看護ステーションであれば、連絡・指示・初期対応が可能です。事前の説明と共有が重要です。 後方支援への心配: 在宅医療を利用していても、必要があれば入院や外来医療への切り替えは可能です。在宅医療は病院医療と対立するものではありません。

自宅で最期を迎えたい人はどれくらいいるのか

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厚生労働省の2014年調査では: 一般国民:約7割、 医師:8割強、 看護師:9割が「自宅で最期を迎えたい」と回答しています。 1951年には死亡者の約9割が自宅死でしたが、2003年には約7割が病院死へと逆転しました。近年は、自宅や施設で最期を迎える人の割合が微増傾向にあります。

在宅で看取るために残る課題

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在宅で最期を迎えるには: トイレや段差などの住宅環境の調整、 家族内での介護力・役割分担、 患者本人が死を受け入れる過程での心理的負担 といった課題があります。 これらは医療だけで解決できるものではなく、家族・医療者が連携して向き合う必要があります。

まとめ

在宅医療の利用者は増加しており、自宅で最期を迎えたいという希望は決して特別なものではなくなっています。一方で、家族の負担や地域差、急変時の不安など、現実的な課題も存在します。在宅での看取りを考える際には、こうした課題を理解したうえで、本人と家族が納得できる選択をすることが大切です。