2020/01/31

医療における地域格差の原因を考える

突然ですが、東京都と茨城県ではどちらの方がファッション文化が盛んだと思いますか?これはもちろん東京都ですよね。他にもおしゃれな飲食店や高級ブランド店なども茨城県よりも東京都内の方が多いです。これらは地域差と呼ばれ、地域の特徴を表すときに用いられる言葉です。今回は地域差の中でも医療に関する地域差を紹介していこうと思います。

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医療費から見る医療の地域差

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医療の地域差をみるときの指標の一つに「医療費」があります。日本の国民医療費は約40兆円強で、年々増加し続けています。 厚生労働省保健局調査課が調べた平成29年度「医療費の地域差分析」をみると、各地域における医療費とその乖離がわかります。 医療費が高い都道府県は佐賀県・鹿児島県・長崎県・大分県・香川県で、その一方で医療費が低く抑えられている地域は茨城県・千葉県・埼玉県・栃木県・群馬県でした。 西日本と東日本で分かれる傾向が見られ、都道府県1人当たり年齢調整後医療費と実績医療費で比較すると、医療費の高低がさらに明確になります。

医療費と高齢化の関係

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医療費が高いことは「高齢化」を表しています。2020年現在、国民医療費は約42兆円を超えており、そのうち65歳未満は約17兆円、65歳以上は約25兆円です。 高齢者は若年層と比較して疾患を抱えている人が多く、定期的な通院や投薬が必要になります。 また、若い世代は自然治癒を期待することが多い一方で、高齢になるほど病気に対する意識が高まり、医療機関を受診する機会が増えます。 自己負担割合は小学生〜69歳は3割、70〜74歳は2割、75歳以上は1割となり、負担割合の違いが医療利用の差につながります。

医療サービスと医療費の関係

医療サービスとは「どのような治療をしたか」です。 都道府県別の1人当たり国民医療費と平均在院日数・医師数・病床数をみると、平均在院日数が長い地域ほど医療費が高額になっています。 高齢者は病気が重篤化しやすく入院するケースが多く、入院医療費は高齢者医療費の約5割を占めることもあります。 在院日数の増加と医療費には一定の相関関係があることが示されています。

医療格差がもたらす弊害

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医療格差の弊害として無医村や無歯科医村と呼ばれる地域があります。医療過疎という言い方をすることもあります。 茨城県内でも北部を中心に点在しており、医療を受けにくい環境では病気の早期発見や治療が困難になります。 日本の医療は保険制度上、平等に受けられることを目的としていますが、入院期間や検査内容に差が生じると平等とは言えません。

医療格差を減らす自治体の取り組み

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富山県では糖尿病をはじめとする生活習慣病への対策として糖尿病ケア教室を開催しました。 患者への指導と病院への報告を繰り返すことで信頼関係が生まれ、生活習慣病の予防につながりました。 新潟県阿賀野市では、脳卒中対策として地域全体の健康管理意識を向上させ、医療費の伸び率を低下させる結果となりました。

まとめ

医療には地域差が存在し、その背景には高齢化や医療資源の違いがあります。しかし健康は自分自身で守ることができます。<br /> 医療機関が近くにあるかどうかに関わらず、日常から健康を意識することが重要です。<br /> 地域差を理解した上で、健康への意識を高めて生活することが求められています。