2021/06/21
世界中で格差が広がっています。日本も例外ではなく、格差が広がっており政府は格差を解消しようとあらゆる政策を打っているのです。今回は数ある格差の中から健康に関連する健康格差について紹介していこうと思います。健康格差を個人レベルで解決するにはどうしたら良いでしょうか。気になる方は読み進めてください。
日本では教育格差や所得格差など社会的な差が広がっていますが、その影響は健康にも及んでいます。WHOも社会経済状況と健康状態には相関があると示しており、研究では所得格差が大きい社会ほど死亡率や主観的健康度に悪影響が出ること、さらに所得が低く社会的に孤立している高齢者は死亡リスクが高まることが報告されています。健康は個人の体質だけでなく、社会の構造とも密接に結びついているのです。
健康格差を生む要因としてまず挙げられるのが所得です。所得が低いと健康診断の受診率が下がり、病気の早期発見・早期治療が遅れやすくなります。教育年数が短い人は死亡リスクが約1.5倍高いというデータもあります。また、通勤時間の長さも死亡リスクと関連しています。収入が少ない場合、医療や健康維持に必要なサービスを十分に利用できないことが背景にあります。日本は国民皆保険制度によりフリーアクセスが可能ですが、現実には無保険者が約160万人存在し、さらに不安定な雇用形態の人ほど受診回数や健診受診率が低い傾向がみられます。こうした医療サービスの利用抑制が、健康格差を拡大させています。
雇用形態や職場環境も健康に影響します。非正規雇用者はストレスを強く感じる傾向があり、日本では労働者の約35%、約1800万人が非正規雇用です。強い仕事ストレスは男性で脳卒中リスクを約3倍、女性では約5倍に高めるという報告もあります。さらに、支出と栄養バランスの関係も重要です。米国では低所得層の死亡リスクが高所得層の4倍に達するとされ、日本でも家計支出が多い家庭ほどエネルギーや各種栄養素の摂取量が多い傾向が示されています。一方、支出の少ない家庭では女性の循環器疾患リスクが高いことも明らかになっています。
人とのつながりも健康を左右します。人間関係が豊かな人は風邪を引きにくく死亡率も低い一方、孤立している人は健康悪化のリスクが高まります。社会的立場が高い人ほど人間関係が密で、生活習慣も良好である傾向があります。高学歴・高所得層は定期的に運動する割合が高い一方、低学歴・低所得層では喫煙率が高く運動習慣が少ない傾向がみられます。生活習慣病の発症にもこうした背景が影響しています。
健康格差は大人だけの問題ではありません。日本は先進国の中でも貧困率が高く、子供時代の貧困は将来の所得や幸福度に影響を及ぼします。いじめやネグレクトを経験した子供は社会への信頼を失い、学歴や所得が低くなる傾向があり、結果として健康リスクも高まります。こうした連鎖を断ち切るためには、ソーシャルキャピタル、すなわち地域や人との信頼関係が重要です。個人としてできることは、ストレスを溜め込まず、自分に合った働き方を選び、地域とのつながりを大切にすることです。
健康格差は単なる医療の問題ではなく、所得・教育・雇用・栄養・人間関係といった社会構造の中で生まれています。生まれ育った環境が健康に影響する現実は厳しいものですが、人とのつながりを保ち、早期受診や生活習慣の改善を心がけることは、個人ができる大切な一歩です。社会の仕組みと個人の行動、その両面から向き合うことが、健康格差を縮める鍵になるのではないでしょうか。
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