2021/03/10

個人事業主が使える新型コロナウイルス感染症の給金を紹介

新型コロナウイルス感染症の影響がまだまだ続いています。特に飲食店に関しては、緊急事態宣言が発出されると同時に自担営業を余儀なくされています。万が一、協力金を拒否して通常営業をすれば「措置命令で罰則を受けさせるべき」という民意が襲ってくるため、総合的に判断して自担営業を続けているお店も少なくありません。実際、自担営業を辞めた店には口コミサイトへ「感染対策をしていない」「感染源」などと書き込まれる事案も発生しているのです。今回はそんな商売をしている個人事業主がコロナで苦しい中、使うことができる制度について紹介していこうと思います。

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飲食店業界の実態と脆弱性

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飲食店は個人事業主の割合が高い業界です。2014年時点で全国の飲食店は約61万店、従業員数は約420万人。2000年代に事業所数は減少しましたが、従業員数は大きく変わっていません。全体の約32%が個人経営で、法人が主流の情報通信業(法人94%)とは対照的です。1日平均客数183人、客単価2,134円から算出すると売上は約39万円ですが、そこから人件費や食材費、家賃等を差し引くと利益は決して大きくありません。さらに新規開業後1年以内に25%が廃業する厳しい業界であり、そこにコロナ禍が直撃しました。

3密回避と客足減少の構造

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「3密(密接・密集・密閉)」回避の呼びかけやソーシャルディスタンスの徹底、会食・アルコール提供への注意喚起は、飲食店の本来の営業形態そのものに制限をかけました。時短営業要請により20時以降の営業停止や酒類提供制限が実施され、客足は大きく落ち込みます。飲食店の不振は食品卸や配送業にも波及し、大企業でも融資を受ける状況が生まれました。

政府の支援策

政府は事業継続を支えるため各種給付制度を導入しました。小規模事業者持続化補助金では、売上が前年同月比50%以上減少した場合、中小企業最大200万円、個人事業主最大100万円を支給。家賃支援給付金は法人最大600万円、個人最大300万円で、家主へ給付される仕組みです。飲食店向け協力支援金は時短営業実施で1日6万円(地域により4万円)。さらに医療機関への最大100万円支援や医療従事者慰労金、企業のテレワーク導入に対するIT導入補助金も実施されました。

コロナ関連倒産の拡大

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国内初のコロナ関連倒産は2020年2月。以降、倒産件数は増加し、2020年4月72件、8月89件、12月124件、2021年1月には130件に達しました。東京・大阪で全体の34%を占め、神奈川、静岡、愛知、北海道が続きます。業種別では小売業が最多で、その中でも飲食店が目立ち、次いでサービス業(ホテル・旅館)、卸業、製造業が続きました。

緊急事態宣言と国民意識の変化

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緊急事態宣言は国民の生活様式を大きく変えました。営業時間短縮や距離確保はエビデンスに基づく政策である一方、民意としても定着し、「深夜営業=問題」という社会的評価が生まれました。感染対策は継続しつつも、経済を回す工夫が求められる段階に入っています。

まとめ

飲食業は個人経営が多く、もともと廃業率の高い構造を抱えていました。そこへコロナ禍が重なり、客足減少、時短営業、関連業種への波及、倒産増加という連鎖が起きました。政府は給付金や補助金で支援しましたが、経済的影響は長期化しています。感染対策と経済活動の両立という課題は、今なお社会全体で向き合うべきテーマとなっています。