2022/08/24

介護保険の法改正について|2021年度の制度内容を解説

介護保険は3年ごとに法改正が行われているのはご存知でしょうか。改正内容によっては、利用者にも大きな影響を及ぼす可能性があります。 今回は2021年に施行された法改正について解説します。

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介護保険法とは何か

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介護保険法は、1997年に制定され、2000年に施行された法律です。高齢化が進む中で、介護を家族だけで抱えるのではなく、社会全体で支える仕組みをつくることを目的としています。 40歳以上の人が保険料を納めることで、要支援・要介護状態になった際に介護サービスを利用できる仕組みです。対象となるのは、65歳以上で要支援・要介護と認定された方、そして40〜64歳で特定疾病により要支援・要介護となった方です。財源は保険料と公費で構成され、利用者は原則1割を負担しますが、所得に応じて2〜3割負担となる場合もあります。

3年ごとの制度改定

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介護保険制度は、社会状況や財政状況の変化に対応するため、3年ごとに見直しが行われます。高齢化の進行や介護需要の増加に応じて、負担やサービス内容が調整されてきました。2018年の改定では、高所得者の自己負担が3割に引き上げられるなど、利用者に直接影響する変更もありました。 制度は固定されたものではなく、社会の変化に合わせて更新され続けています。その動向を知ることは、利用者や家族にとっても重要です。

2021年改定の主なポイント

2021年4月の改定では、大きく五つの柱が示されました。第1に、感染症や災害への対応強化です。新型コロナウイルスや自然災害を踏まえ、サービスを継続できる体制整備や感染対策の強化が求められました。 第2に、地域包括ケアシステムの推進です。住み慣れた地域で最期まで暮らせるよう、医療と介護の連携、看取り支援、認知症対応力の向上などが強化されました。 第3は、自立支援と重度化防止の推進です。リハビリテーションや栄養・口腔ケアの連携を進め、科学的根拠に基づくサービス提供が重視されました。 第4に、介護人材の確保と現場の効率化があります。処遇改善やICT活用による業務負担軽減が進められました。 そして第5に、制度の安定性・持続可能性の確保です。評価の適正化や報酬体系の簡素化が図られました。加えて、事故防止体制や虐待防止の義務化など、安全管理の強化も盛り込まれています。

2024年改定の方向性

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2024年改定では、引き続き介護人材確保や生産性向上が重要課題とされています。同時に、給付と負担のあり方、保険者機能の強化、自立支援の推進も論点となっています。 さらに、介護サービス基盤の整備、住まいと生活支援の一体化、医療と介護の連携強化、認知症施策の充実、家族支援体制の構築など、地域全体で支える仕組みの深化が掲げられています。単なる制度調整にとどまらず、社会構造そのものへの対応が求められています。

私たちの生活との関わり

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介護保険法は、介護が必要になったときだけ関係する法律ではありません。40歳を過ぎれば保険料を納める立場となり、将来的には利用者や家族になる可能性があります。 制度改定は、負担割合やサービス内容、利用条件に直接影響を及ぼします。だからこそ、自分にはまだ関係ないと考えるのではなく、社会全体の仕組みとして理解しておくことが大切です。

まとめ

介護保険法は、急速に進む高齢化社会の中で「介護を社会で支える」ために生まれた法律です。保険料と公費を基盤とし、必要な人が必要なサービスを受けられる仕組みを整えています。<br /> 3年ごとの改定を通じて、感染症対策、地域包括ケア、自立支援、人材確保、制度の持続可能性などが見直されてきました。今後も制度は変化していきます。私たち一人ひとりがその動向に関心を持ち、将来の備えとして理解しておくことが求められています。