2022/04/20
ヤングケアラーという言葉をご存知でしょうか。あまり聞き馴染みのない言葉かもしれませんが、近年普及が取り組まれています。 大人に代わり、子供が介護や家事をするのが当たり前な時代だったかもしれませんが、それは子供の大切な時間を奪っているのです。 今回はヤングケアラーの現状や問題、解決策などについて紹介します。
ヤングケアラーには法律上の明確な定義はありませんが、本来大人が担うはずの家事や家族の世話を日常的に行っている18歳未満の子どもを指します。家事全般、障害や病気のある家族の介助、精神疾患やアルコール・薬物・ギャンブル問題を抱える家族のケア、幼いきょうだいの世話、家族に代わって働くこと、日本語を話せない家族の通訳など、その役割は多岐にわたります。 「自分が小さい頃はそれが当たり前だった」と感じる人もいるかもしれませんが、子どもが子どもとして過ごす時間を失っているという点が問題です。平成28年の法改正をきっかけに注目が集まり、近年は国や自治体が普及啓発や支援に取り組んでいます。
厚生労働省の調査では、中高生のおよそ20人に1人がヤングケアラーとされ、平均で1日約4時間、多い場合は約7時間ケアに費やしています。半数以上が毎日何らかのケアを担っています。 ケアの対象はきょうだいが最も多く、次いで父母や祖父母です。共働き世帯の増加や高齢化の影響も背景にあります。しかし本人や家族が「当たり前」と感じてしまい、問題として認識されにくいことが課題です。その結果、勉強時間の不足、部活動への不参加、友人との交流減少、慢性的な睡眠不足といった影響が出ています。
第一に、友人関係が希薄になり孤立しやすいことです。本来放課後にあるはずの交流や活動の時間が奪われ、孤独を抱え込みやすくなります。 第二に、進学や就職を断念する可能性があることです。勉強時間の不足や疲労による不登校、進学意欲の低下、家庭内の役割を優先して進路を諦めるケースもあります。活動経験が少ないことで自信を失うこともあります。 第三に、自分がヤングケアラーだという認識がないことです。本人も周囲も支援が必要な状況だと気づかないまま、負担が続いてしまいます。
まず必要なのは、周囲の大人がヤングケアラーを理解することです。子どもが家族を支えている状況は当然ではなく、支援が必要な状態であると認識することが出発点です。 相談先としては児童相談所や自治体の窓口がありますが、子ども自身が「相談してよいのかわからない」と感じている場合も多いです。相談できる場があることを伝え、ケアを担っていることを否定せず、気持ちに寄り添う姿勢が重要です。家族の状況に応じて医療機関や地域包括支援センターなどと連携し、家庭全体を支える視点が求められます。
ヤングケアラーの問題は子どもだけでは解決できません。家族支援と社会的支援を組み合わせ、子どもが孤立しない環境を整えることが大切です。周囲の大人との信頼関係があれば、子どもは小さな悩みでも打ち明けやすくなります。
ヤングケアラーは、家族を支える役割を担いながらも、自分の成長や学びの機会を制限されている子どもたちです。現状を正しく理解し、孤立や進路断念を防ぐためには、周囲の大人が気づき、相談しやすい環境を整え、家族全体を支援することが不可欠です。
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