2020/08/13

うがいの正しい回数と方法は?論文をもとにうがいを解説します

みなさん突然ですが手洗い・うがいをしていますか?手洗いとうがいは風邪予防や口腔疾患にも予防効果があるとされています。予防効果には有効性も証明されていますが、やり方になると話は違います。水やぬるま湯を口に含み、上を向き「ガラガラ」とうがいをするのが一般的なだけで、正しいやり方というのは誰も習得していないのではないでしょうか。今回はそんなうがいについてまとめてみました。うがいで悩んでいる方やうがいの仕方や回数がわからない方は一読ください。

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日本に根付く「うがい」の文化と歴史

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うがいは日本に伝統的に伝わるものとされています。そのルーツは神社にありました。昔から日本国内には神社が全国各地に点在していました。そこでは手を清めて、口を清めるという文化があったのです。現在では手洗い・うがいをすると感染症予防の意味合いが強くなりますが、昔は神社でのマナーでした。およそ2500年前の「古事記」にもこのことは記載されています。諸外国ではうがいの文化がありませんでした。今でこそ新型コロナウイルスの流行により諸外国でもうがいをしていますが、このパンデミックが起きるまではしていなかったに等しいのではないでしょうか。

うがいは水か薬か―研究結果から見る予防効果

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うがいという話を進める中で外せないのがうがい薬との関係です。2002年に京都大学の川村孝教授グループが行った研究です。2002年から2003年の冬季に北海道から九州地方まで全国18地域でうがいについての研究をしました。この研究ではうがいの風邪予防効果を無作為割付で検証したものです。合計被験者387名を集め、くじ引きを行い「水うがい」をするグループと「ポピドンヨード液でうがい」するグループと「うがいをしない」グループに分けました。2ヶ月にわたり風邪の発症について調べた結果、「水うがい」グループは17人/100人が風邪を発症。「ポピドンヨード液でうがい」グループは23.6人/100人。「うがいをしない」グループは26.4人/100人が風邪を発症するという結果になりました。この研究で面白いのがポピドンヨード液を使ってうがいをしたグループはうがいをしないグループと大きな差が出なかったことです。

正しいうがい方法と回数の科学的検証

うがい方法については冒頭でも述べたように自己流が蔓延しているといって良いでしょう。誰も正しいうがいの方法を習っていないし、うがいのフィードバックを受けていません。1998年と少し古い情報ですが関西医科大学附属香里病院の耳鼻科・薬剤部共同で発表した論文があります。タイトルは「うがい効果の検討:第一報」。この論文の中でうがいで大切なのは「機械的除菌作用」と「殺菌作用」と書いています。最初はブクブクうがいと呼ばれる唇を閉じた状態で行う、口を濯ぐうがいです。その後、顔を上へ向けたうがいと、さらに顎を上へ向けるうがいの2種類をします。つまり適切なうがい回数は3回ということです。

ポピドンヨードの効果と注意点

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そこで補助的に役立つのがポピドンヨードです。ポピドンヨードで一番有名なのは「イソジン」と呼ばれるうがい薬ですね。そんなポピドンヨードは手術の際の消毒や創部の消毒に使用されます。ただし、殺菌作用は非常に高くアルコールよりも高い殺菌作用があるといっても過言ではありません。100%濃度のポピドンヨードは殺菌作用が強すぎるため、人体の常在菌も死滅させてしまうことがあります。うがいに適した濃度は0.23%〜0.46%とされており、それよりも高濃度な場合前述の「2002年京都大学川村教授の研究結果」と同じような結果になってしまうのです。この実験でも適正範囲の濃度でポピドンヨードを使用していたのは6.8%にしか過ぎず、多くの人は不適切なうがいを実施していたことが明らかになりました。

ポピドンヨード以外のうがい薬の選択肢

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うがい薬として有名なのはポピドンヨードですが、それ以外にもうがい薬はあります。アズレンスルホン酸ナトリウムには抗炎症作用があり、喉が腫れているような場合に出されるうがい薬です。毎日のうがい薬として使用しても問題ないですが、腫れているとき使用すると効果絶大です。近年ではアズレンスルホン酸ナトリウムを生理食塩水に溶かして、鼻うがいに使用する方もいます。

まとめ

風邪の原因ウイルスは今世間の話題を集めているコロナウイルスだけでなくアデノウイルス・インフルエンザウイルスなど様々あります。できれば体の中へ侵入する前に手洗い・うがいで取り除きたいですよね。うがいは水で十分です。うがい薬を使用するよりも出先から帰ってきたらしっかりと手洗い・うがいをするという習慣づけをした方が予防効果は高いです。水でも良いのでうがいを続けることで国の医療費圧迫を少しでも解消でき、健康維持にもつながるのではないでしょうか。