2022/08/10
高齢者がかかりやすい病気の一つに、骨粗しょう症があります。 今回は、骨粗しょう症の発生機序や種類、リスク因子、そして予防方法について解説します。 骨粗しょう症予防に興味のある人は、ぜひ参考にしてください。
骨粗しょう症とは、骨の強度が低下し、わずかな衝撃でも骨折しやすくなる状態を指します。骨は本来、骨形成(新しく作られる働き)と骨吸収(古い骨が壊される働き)を絶えず繰り返しながら、強さを保っています。しかし加齢や女性ホルモンの低下、運動不足などが重なると、このバランスが崩れ、骨がもろくなっていきます。 厄介なのは、骨粗しょう症そのものでは痛みがほとんどない点です。そのため自覚しにくく、転倒や軽い衝撃で初めて骨折して気づくことも少なくありません。状態に応じて内服薬や注射による治療が行われ、骨折が起きた場合には当然その治療も必要となります。
骨粗しょう症には大きく「原発性」と「続発性」の二つがあります。原発性骨粗しょう症は、明らかな原因疾患がなく、閉経後の女性ホルモン低下や加齢によって発症するものです。閉経後骨粗しょう症や男性骨粗しょう症などが含まれます。 一方、続発性骨粗しょう症は、関節リウマチや副甲状腺機能亢進症などの疾患、あるいはステロイド薬の長期使用など、原因がはっきりしている場合を指します。背景にある病気の治療も含めて対応する必要があります。
骨粗しょう症による骨折は、特定の部位に起こりやすい特徴があります。代表的なのは、背骨の圧迫骨折、手首の橈骨遠位端骨折、そして太ももの付け根である大腿骨頸部骨折です。とくに大腿骨頸部骨折は、その後の生活自立度に大きな影響を及ぼすことが知られています。 リスク因子としては、女性ホルモンの欠乏や加齢、運動不足のほか、過度なダイエットや偏食、カルシウムやビタミンD不足、喫煙や過度の飲酒、遺伝やストレスなどが挙げられます。日常生活の積み重ねが、骨の健康を左右しているのです。
骨粗しょう症予防の基本は、まず食事です。1日3食を整えたうえで、カルシウム、ビタミンD、ビタミンK、ビタミンB群、そしてたんぱく質を意識的に摂取することが重要です。 カルシウムは牛乳やチーズなどの乳製品、大豆製品、小魚、海藻、緑黄色野菜に多く含まれます。ビタミンDは魚やきのこ類に豊富で、カルシウムの吸収を助けるため、両者を組み合わせて摂ることが望ましいとされています。ビタミンKは納豆や葉物野菜に多く、骨形成を支えます。さらに、骨の材料となるたんぱく質も欠かせません。肉や魚、卵、豆類、乳製品をバランスよく取り入れましょう。
食事と並んで重要なのが運動です。骨は適度な負荷がかかることで強くなります。ウォーキングやジョギング、日常の家事や買い物も立派な運動です。慣れてきたら、片足立ちや背筋運動、スクワットなどを取り入れると、背骨や股関節周囲の強化につながります。ただし転倒には十分注意し、自分の体力に合った範囲で行うことが前提です。 また、日光浴によって体内でビタミンDが生成されます。朝の光を浴びる習慣は、骨の健康を支える一助となります。
骨粗しょう症は自覚症状に乏しいまま進行し、骨折によって初めて明らかになることが多い疾患です。特に閉経後の女性ではリスクが高まりますが、日々の生活習慣を整えることで予防や進行抑制は可能です。<br /> バランスの取れた食事、適度な運動、そして日光を取り入れた生活。これらを積み重ねることが骨を守る最も確かな方法です。加えて、閉経後は整形外科での定期的なチェックを受け、自分の骨の状態を知ることも大切です。
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