2020/03/06

都道府県別に医療施設データをみると東日本と西日本のある違いがわかりました

都道府県における医療の格差は広がりつつあります。実際に地域別で医療がどのような推移をしているのかみていきましょう。皆さんの都道府県はどのような数値になっているのかも併せて確認してください。

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都道府県別にみる医療施設数の推移

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厚生労働省の厚生統計によると、医療法人の数は平成2年の約14,000件から、平成30年には約53,000件まで増加しています。 都道府県別にみると、東京都(6,091件)、大阪府(4,232件)、神奈川県(3,390件)、愛知県(2,174件)、福岡県(2,905件)など、大都市圏に医療法人が集中しています。一方で、地方では医療法人の数が少ない県も多く、都道府県間で大きな差がみられます。 この段階ですでに、都市部と地方の医療提供体制の違いが浮き彫りになっています。

人口10万対病院数からみえる地域差

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人口10万対病院数の全国平均は6.6です。 首都圏では埼玉県4.7、千葉県4.6、東京都4.7、神奈川県3.7と平均を下回る地域が多くなっています。 一方で、西日本では徳島県14.7、高知県18.1、鹿児島県15.1、大分県13.6など、人口あたりの病院数が高い地域が目立ちます。 東日本では1桁台が多く、西日本では2桁台の県が多いという傾向がはっきりしています。 人口10万対施設数が多い地域では、医療施設間で患者を取り合う構造になっているともいえます。

看取りにみる地域差

看取りを「自宅での看取り」と定義すると、地域差がより明確になります。 自宅で死亡する方の割合が最も高いのは東京都で、次いで兵庫県、奈良県、千葉県が続きます。 一方、自宅で死亡する方の割合が最も低いのは大分県で、北海道、佐賀県が続きます。 日本全体では、2015年時点で約80%が病院で亡くなっており、諸外国と比較しても病院死の割合が高い状況です。 死亡者数は2015年の約125万人から、2040年には170万人に増加すると予測されています。

訪問診療・訪問看護の地域差

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訪問診療は在宅療養支援診療所と訪問看護事業所の連携が必要です。 人口あたりの在宅療養支援診療所数が多いのは長崎県、大阪府、広島県で、少ないのは富山県、新潟県、千葉県です。 訪問看護事業所も同様に、全国平均6.8ポイントを下回る地域は東日本に多く、西日本では多い傾向があります。 医療施設数と同様、訪問診療・訪問看護でも東日本より西日本の方が充実している地域が多いことがわかります。

医療施設数に差が生まれる背景

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医療施設数の差は、医療従事者数と強く関係しています。 2016年の衛生行政報告例では、人口10万あたりの看護師・准看護師数の上位は高知県、鹿児島県、佐賀県など西日本が多く、下位は茨城県、東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県と首都圏が並びます。 医師数も同様で、人口10万あたり医師数が多いのは徳島県、京都府、高知県で、少ないのは埼玉県や茨城県です。 背景には医学部の設立数や「地元枠」による地域定着があり、医学部数を人口あたりでみると西日本の方が高くなる地域もあります。

まとめ

都道府県別データから、医療施設数・医療従事者数・看取りや訪問診療の実施状況には明確な地域差があることがわかります。<br /> 特に東日本と西日本では傾向が異なり、西日本の方が医療資源が充実している地域が多くみられます。