2023/10/18
認知症の症状には、「周辺症状」と「中核症状」の2種類があり、これらを把握しておくことで、認知症の早期発見や発症時のスムーズな対応につなげることができます。 この記事では、認知症の周辺症状と中核症状について解説するとともに、早期発見のポイントと、認知症の予防法について紹介していきます。
認知症の症状は、大きく「周辺症状」と「中核症状」の二つに分けられます。周辺症状は、行動や心理面に現れる変化であり、中核症状は、脳の働きの低下によって直接起こる認知機能の障害です。両者は性質が異なりますが、どちらも本人や家族の生活に深く関わります。それぞれの特徴を理解することが、早期発見と適切な対応につながります。
周辺症状は、「行動・心理症状(BPSD)」とも呼ばれ、暴力・暴言、介護拒否・服薬拒否、徘徊、妄想、無気力、抑うつ、不安、幻覚などが含まれます。感情を抑える力が弱まることで怒りっぽくなったり、環境の変化に強い不安を感じて介護や薬を拒んだりすることがあります。見当識の低下が進むと、自宅を知らない場所と感じて外に出てしまう場合もあります。また、ものを盗られたと強く思い込む妄想や、実際には存在しないものが見える幻覚が現れることもあります。これらは本人の混乱や不安の表れであり、介護者の心身の負担が大きくなりやすいのが特徴です。
中核症状は、認知症の中心となる症状で、記憶障害、見当識障害、実行機能障害、失語、失行、失認、理解・判断力の低下などが含まれます。記憶障害では、体験の一部ではなく、体験そのものを忘れてしまうことが特徴です。見当識障害では、時間や場所が分からなくなり、季節感も失われていきます。実行機能障害では、物事の段取りを立てることが難しくなり、複数の作業を同時に行えなくなります。これまで当たり前にできていた動作や道具の使用ができなくなる失行や、言葉の理解や表出が困難になる失語も見られます。これらは認知症になるとほぼ確実に現れる重要なサインです。
家族に変化を感じた場合は、まず中核症状があるかを丁寧に観察することが大切です。食事の内容を忘れるだけであれば加齢によるもの忘れの可能性がありますが、食事をした事実そのものを忘れている場合は、認知症の可能性が高くなります。また、日常動作が急にできなくなったり、妄想や暴言などの周辺症状が目立ったりする場合も、受診を考えるべきサインです。受診を勧める際は、否定的な言い方を避け、「安心のために一度専門家に診てもらおう」という形で伝えることが重要です。早期対応は、進行を緩やかにする可能性があります。
認知症の予防や進行抑制には、日々の生活習慣が大きく関わります。栄養バランスの取れた食事を心がけ、青魚や大豆製品、野菜などを取り入れ、塩分や糖質は控えめにします。適度な有酸素運動を継続し、難しい場合は室内での軽い運動でも効果が期待できます。さらに、人との会話や地域活動への参加などを通じて脳を刺激することも重要です。社会的なつながりは、認知機能の維持に役立ちます。
認知症には、周辺症状と中核症状という二つの側面があります。中核症状は発症を見極める重要な指標であり、周辺症状は環境や関わり方によって強まることがあります。変化に早く気づき、適切に受診することで、進行を遅らせる可能性があります。日頃から生活習慣を整え、人とのつながりを保つことが、認知症予防と生活の質の維持につながります。
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