2019/12/13
訪問診療の数は増加傾向を示しています。これは患者さんが自分で医療を選べる時代へなっている証拠です。訪問診療では医師はもちろん、看護師も重要なキーパーソンとして治療へ参加しています。そこで今回は訪問診療における看護師の役割や仕事の内容について紹介しようと思います。
この記事の目次
看護師という職業は1850年代、ナイチンゲールの登場によって近代看護として確立されました。それ以前は、病人の看護や療養は家族や身内が担っており、教育を受けた専門職ではありませんでした。 日本では明治時代に西洋医学が導入され、病院の誕生とともに職業としての看護師が登場します。1915年に制定された「看護婦規則」により制度化されましたが、当時は女性のみが対象でした。戦後には看護教育機関が整備され、名称も「看護師」となり、男女を問わず就業できる職業へと変化しました。
日本で本格的に看護師教育を始めたのは日本赤十字社で、1886年に博愛社病院が設立され、救護看護師の養成が始まりました。戦時中は養成期間が短縮され、戦地で負傷兵や民間人の治療に従事していた記録も残っています。 このように看護師は時代の要請に応じて役割を変えてきました。現代では、単に治療を支えるだけでなく、患者さんが日常生活へ戻れること、在宅で安心して療養できることを支える点にやりがいが広がっています。
訪問診療において看護師は、治療サポートの中心的存在です。点滴やカテーテルの管理、検温、病状の聞き取りなど、日常的な健康管理を担います。 また、在宅医療に不慣れな患者さんや家族が感じる不安や戸惑いに対し、心理的サポートを行うことも重要な役割です。治療への不安や不満を聞き取り、医師や他職種と共有することで、訪問診療全体を円滑に進めます。さらに、訪問スケジュールの調整や備品準備など、診療全体の調整役としても機能しています。
訪問診療で病院勤務と大きく異なる点は、「ケア」に深く関わることです。身体的ケアだけでなく、心理的ケアが特に重要になります。 その代表がグリーフケアです。グリーフケアとは、身近な人を失った悲嘆に寄り添い、精神的負担を軽減する支援を指します。1970年代以降、日本でもリビングウィルやホスピス医療の普及とともに、その必要性が認識されるようになりました。突然の死別による悲嘆は、睡眠障害や食欲低下、抑うつ、不安、集中力低下などを引き起こし、放置するとPTSDやうつ病につながることもあります。
看護師がグリーフケアを担う理由は、訪問診療において患者さん・家族・医療者をつなぐ存在だからです。日々の診療や健康管理を通じて信頼関係が築かれており、家族の変化にも気づきやすい立場にあります。 そのため、専門資格の有無に関わらず、看護師による寄り添いは家族にとって大きな支えとなります。訪問診療の現場では、こうした関係性そのものがケアの質を高めています。
訪問診療の拡大とともに、看護師の役割は治療補助にとどまらず、心理的・社会的ケアへと広がっています。特に在宅医療では、患者さんと家族に寄り添う姿勢そのものが医療の質を左右します。今後も訪問診療は増加していくと考えられ、看護師がやりがいを感じながら働くことは、患者さんと家族にとって安心できる医療環境につながっていくでしょう。
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「夜中に急に落ち着かなくなり、家の中を歩き回る」 「普段は穏やかなのに、突然怒り出したり、不安そうにしている」 ご家族にこうした行動が見られると、認知症かもしれないと心配になりますよね。しかし、それは認知症ではなく、せん妄かもしれません。せん妄は認知症と似ていますが、症状が突然現れるため、急激な変化に周囲の人は心配になってしまうことも多いです。 本記事では、せん妄の症状や原因、認知症との違い、そして予防法について解説していきます。