2019/11/01
日本国の高齢化社会問題は年々深刻さを増していて、2020年現在では超高齢化社会へ突入したと言っても過言ではありません。超高齢化社会へ入ったことで問題となっているのが「最期の迎え方」です。一昔前の時代とは違い、医療は患者中心へとなり治療するために病名の告知は必須となりました。患者が希望する治療方針で医療が進められることも多くなり医療に対して多くのニーズが出てきています。もちろん人生の最期をどこで迎えるのか・どのようにして迎えるのかなども選べる時代になりました。そこで今回は自宅で最期を迎えたい方がどれくらい増えているのか・そして実際に最期を迎えたい方のニーズがどれくらい叶えられているのかを紹介していこうと思います。
この記事の目次
総務省が作成した人口減少白書によると、日本の人口は2005年の約1億2700万人をピークに減少に転じています。背景には、0歳〜14歳までの年少人口が65歳以上の老年人口を下回っていることがあります。1950年には年少人口が約3000万人いた一方、2020年現在では約1500万人と半数に減少しました。これに対し老年人口は、1950年の約400万人から2020年には約3600万人へと大きく増加しています。現在、日本の高齢化率は30%近くに達しており、超高齢化社会に入っていることがわかります。
超高齢化に備えた取り組みは進められてきましたが、2020年現在、高齢者を取り巻く環境は十分とは言えません。病院や介護施設の数だけでなく、医療・介護に従事する人材も不足しているのが現状です。長期的な療養が必要であっても、病院での継続的な入院が難しくなり、自宅療養を余儀なくされるケースもあります。また、在宅医療を提供する施設数には地域差があり、日本医師会総合政策研究機構の調査では、北関東エリアが36%であるのに対し、北陸や北海道では約25%にとどまっています。
厚生労働省の平成28年度全国在宅医療会議資料によると、訪問診療のレセプト数は2008年の月27万件から2014年には64万件まで増加しています。一方、往診の件数は大きな増減はなく横ばい傾向が続いています。同資料に掲載された「最期をどこで迎えたいか」という高齢者への調査では、約55%が自宅での最期を希望していました。その他の選択肢としては、子どもや親族の家、高齢者向け住宅、特養老人ホームなどが挙げられていますが、自宅に次いで多いのは病院でした。
訪問診療とは、計画的に訪問日時を決めて医師が自宅を訪れる医療です。一方、往診は突発的な体調変化などにより、要請を受けて医師が訪問する医療を指します。2017年度の人口動態調査では、病院で最期を迎えた人は約73%であるのに対し、自宅で亡くなった人は約13%でした。1951年には自宅で亡くなる人が多数派であったことを考えると、約60年で看取りの場所が大きく逆転したことがわかります。
自宅で最期を迎えたいという希望は増えていますが、実現にはいくつかの障壁があります。医療や介護サービスを自宅で受けられる体制が地域によって異なること、訪問診療や訪問介護を利用しない時間帯には家族の協力が必要になること、自宅がバリアフリーに対応していないケースなどが挙げられます。また、医療従事者が常に近くにいないことへの不安や、急変時の対応に対する心配も、自宅療養を選択する際の大きな要因となっています。
自宅で最期を迎えたいと考える人の割合は確実に増えていますが、実際には医療体制や環境面の課題により、希望通りに実現できていない現状があります。それでも、在宅医療の利用は徐々に広がり、「最期の場所」を選べる社会へと少しずつ近づいています。自分や家族がどのような最期を迎えたいのかを考える際に、在宅医療という選択肢を正しく知っておくことが重要です。
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