2021/05/12

肝臓がんの患者数は年間38000人!初期症状を把握して早めの検査を実施!

肝臓は沈黙の臓器と呼ばれています。沈黙と比喩されるほど、症状が出にくく異常が起きても発見されにくいです。そこで重要なのが定期的な検診です。自分だけは大丈夫!私は病気にならないと決めつけるのではなく、定期的な検診や検査を受けるようにして大切な体を守りましょう。今回は肝臓がんについてのお話です。

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肝臓がんの患者数と特徴

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肝臓は腹部右上に位置する大きな臓器で、栄養の代謝や有害物質の解毒、胆汁の産生など生命維持に欠かせない役割を担っています。この肝臓の細胞ががん化したものが肝臓がんであり、胆管にできる肝内胆管がんとは区別されます。2018年の統計では新規診断数は38,312例、男性26,163例、女性12,148例と男性に多く、死亡数は25,264人でした。5年生存率は35.8%で、肺がんや大腸がんなどより罹患数は少ないものの、依然として予後は厳しいがんです。発症は加齢とともに増え、男性は60代、女性は70代から増加傾向を示します。また関西や九州など西日本に多いという地域差もみられます。

主な原因とリスク要因

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肝臓がんの最大の原因はB型・C型肝炎ウイルスで、慢性肝疾患の約80%を占めます。近年は抗ウイルス薬の進歩によりウイルス性肝がんは減少傾向ですが、アルコール性肝障害や生活習慣に起因する症例は依然として存在します。特に肥満や糖尿病と関連する非アルコール性脂肪性肝疾患(NASH)は、肝硬変や肝がんへ進行する可能性が高いとされています。リスクが高いのは、肝炎ウイルス陽性者、常習的飲酒者、急激に体重が増加した人、血液検査でγ-GTP・AST・ALT異常を指摘された人です。自覚症状がなくても放置せず、専門医での管理が重要です。

症状の特徴と進行

肝臓は再生能力が高いため、初期はほとんど無症状で進行します。多くは健康診断で偶然見つかります。進行すると倦怠感や疲労感、腹部膨満感が現れ、肝硬変を経て黄疸や腹水、むくみ、全身のかゆみなどが出現します。ビリルビンの蓄積による黄疸は代表的な症状です。末期にはこむらがえりの頻発や右上腹部のしこりが触れることもあります。症状が出た段階では進行していることが多いため、無症状の段階での発見が鍵となります。

治療法と適応

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治療には外科的切除、穿刺療法、肝動脈塞栓術などがあります。小さな病変では切除が選択され、肝臓は1/3程度切除しても再生する強い臓器です。ただし肝硬変が進行している場合は手術に耐えられず、切除が可能なのは全体の約3割とされています。腫瘍が大きい場合には放射線治療などが検討されます。肝機能の状態が治療方針を大きく左右する点が特徴です。

早期発見の重要性

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肝臓がんは無症状で進行するため、医療者にとっても対策が難しいがんです。特にハイリスク患者は定期的な血液検査や画像検査が不可欠です。しかし、自分がハイリスクであると自覚していない人も少なくありません。健康診断を受けていない人はまず検査を受け、異常があれば生活習慣を見直し、専門医の管理下で経過を追うことが大切です。早期発見ができれば、生存率は確実に向上します。

まとめ

肝臓がんは男性に多く、地域差もみられるがんで、5年生存率は約35.8%と依然として厳しい現実があります。原因の多くは肝炎ウイルスやアルコール、そして肥満や糖尿病など生活習慣に関連しています。初期は無症状で進行するため、ハイリスク者の定期検査が何より重要です。肝臓は強い臓器ですが、沈黙のまま悪化する特性を持っています。だからこそ、症状が出る前の行動が将来を左右するのです。