2020/08/20

手指消毒に使うアルコール消毒の適正濃度っていくつ?成分なども解説します

新型コロナウイルスの流行により、感染症予防に力を入れる人が多くなりました。一般的な予防法としては手洗い・うがい・消毒という3点セットが重要になります。今回はその中でも消毒に注目して紹介していこうと思います。

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感染症予防における消毒の位置づけ

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消毒はもともと、設備や床、壁などの環境を対象として行われてきました。熱水や蒸気、消毒薬を併用することで、ウイルスや細菌を減少させる方法が用いられていました。withコロナ時代となった現在では、飲食店などで検温とともに手指消毒が一般的となっています。咳やくしゃみを手で覆うことで手指にウイルスが付着し、接触感染につながる可能性があるため、店頭での手指消毒は重要な役割を担っています。一方で、帰宅後に消毒だけで済ませてしまうのは十分な感染予防とはいえません。

手指衛生の標準予防策と消毒薬の併用

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CDCでは、血液・体液・分泌物・吐瀉物・排泄物・皮膚・粘膜血液を感染危険物として取り扱う標準予防策を定めています。手指衛生の基本は手洗いであり、流水下で30〜60秒行うことで評価されます。しかし、実際には10秒前後で終わる手洗いが多く、洗い残しが問題となります。こうした背景から、withコロナ時代の標準予防策として、手洗いに加えて速乾性手指消毒薬を併用する方法が重視されるようになりました。

アルコール消毒薬がウイルスに有効な理由

新型コロナウイルスは、エンベロープを持つウイルスに分類されます。エンベロープはアルコールによって破壊され、ウイルスは不活化します。このため、アルコール消毒薬は新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスなどに有効とされています。感染症流行初期にはアルコール消毒薬が不足しましたが、これは消毒効果が広く知られた結果といえます。

アルコール消毒薬の適正濃度と注意点

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アルコール消毒薬の効果は濃度に大きく左右されます。日本薬局方では76.9〜81.4%、米国薬局方では68.5〜71.5%、WHOでは60〜80%が適正濃度とされています。90%以上になると、手指の常在菌まで殺菌してしまい、手荒れや皮膚障害を引き起こす可能性があります。また、アルコールは可燃性が高く、取り扱いにも注意が必要です。濃度が高すぎるものを選ぶのではなく、70〜80%程度の消毒薬を継続的に使用することが重要です。

アルコール消毒薬と次亜塩素酸系消毒薬の使い分け

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アルコール消毒薬にはエタノールやイソプロパノールがあり、エタノールは速乾性と高い消毒効果が特徴です。一方、次亜塩素酸ナトリウムはアルコールが効きにくいウイルスにも効果を示しますが、取り扱いには注意が必要です。次亜塩素水は手指への効果は未解明とされているものの、物品消毒には有効とされています。手指にはアルコール消毒、物や環境には次亜塩素酸系を使用するなど、対象に応じた使い分けが求められます。

まとめ

感染症予防では、手洗い・うがい・消毒を組み合わせて行うことが欠かせません。消毒薬は種類や濃度を理解し、手指や環境など対象に応じて適切に使用する必要があります。日常生活の中で正しい消毒を継続することが、感染拡大防止と自身の健康維持につながります。