2021/12/08

在宅医療するには家族の仕事もやめなきゃダメ?上手な勤務の仕方もあります

在宅医療で問題となるのが家族の負担です。平成23年11月に厚生労働省が公表した資料では、在宅医療に関して様々な観点から観察していました。今回はそんな厚生労働省の資料を参考にしつつ、在宅医療がどのような環境となっているのか紹介していきます。

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在宅医療への高まるニーズ

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在宅医療を希望する人は年々増加しています。厚生労働省の調査では、終末期を自宅で迎えたいと考える人が約60%にのぼり、自宅での介護を望む声も増えています。子どもの家や親族宅を希望する人もいますが、施設や病院を選ぶ人も一定数存在します。それでも、住み慣れた自宅で最期を迎えたいという思いは強く、人生を振り返る場としての安心感を求める傾向が見られます。 特に新型コロナウイルス感染症の流行以降、面会制限の影響から家族と過ごす時間を重視する人が増えました。医療の選択肢が広がり、治療中心から生活の質を重視する緩和ケアを選ぶケースが増えたことも、在宅医療を選択する人が増えた背景の一つです。

在宅医療に対する不安と課題

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在宅医療に前向きな意見が増える一方で、不安を抱く人も少なくありません。大きな問題は家族の負担です。訪問看護や訪問介護などのサービスがあっても、24時間体制を支えるには家族の協力が不可欠です。しかし働き世代にとっては時間の確保が難しく、介護と仕事の両立が課題となります。 また、自宅はもともと介護を想定して設計されていないため、バリアフリー化されていない住宅も多く、改修費用の問題もあります。さらに、医療設備や専門スタッフが整っている施設や病院の方が安心できるという意見も根強く、経済的理由で希望する施設に入れないケースもあります。病状や体調によっては急性期治療が必要な場合もあり、すべての人に在宅医療が適しているわけではありません。

在宅医療と家族の仕事の関係

在宅医療を始めるにあたり、家族が仕事を辞める必要は必ずしもありません。現在は訪問看護や訪問介護事業所が増えており、サービスを活用すれば負担を軽減できます。ただし、サービス利用が増えると費用もかかります。その際は高額療養費制度や限度額適用認定証を活用することで、医療費の上限を抑えることが可能です。年間医療費が10万円を超えれば医療費控除の対象にもなります。 また、正社員であれば年次有給休暇の活用が可能です。企業によっては介護休暇や介護休業制度もあり、介護休業中は給付金が支給されることもあります。これらの制度を知り、適切に活用することが重要です。

無理のない両立を目指すために

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仕事と介護の両立は簡単ではありません。無理をして家族が倒れてしまっては本末転倒です。夜間の介護をヘルパーに任せる、ショートステイを利用するなど、専門職に任せられる部分は任せることが大切です。在宅医療は家族だけで抱え込むものではなく、地域の医療・介護資源を活用しながら支えるものです。自分自身の仕事や趣味の時間を確保しながら関わることが、長期的には家族全体を守ることにつながります。

在宅医療を選ぶということ

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在宅医療は、安心した生活や家族との時間を大切にしたいという思いから選ばれています。一方で、住環境や経済面、家族の負担、病状の程度など、現実的な課題も伴います。そのため、本人の希望と現実的条件を踏まえ、多職種と相談しながら選択していくことが重要です。

まとめ

在宅医療へのニーズは高まっており、自宅で最期を迎えたいと考える人が増えています。しかし、家族の負担や住環境、費用、病状などの課題も存在します。無理をせず制度や専門職の力を活用しながら、本人と家族にとって最適な形を見つけていくことが、在宅医療を支える鍵となります。