2022/11/02

冬に多発するヒートショックとは?予防法も解説

急な血圧の変動により、心筋梗塞や脳梗塞などを発症する原因となる「ヒートショック」。 冬場に多発する怖いショック状態ですが、予防法があります。 今回は、ヒートショックの概要と予防法について解説します。 高齢者はもちろんのこと、高血圧や糖尿病、心疾患などの既往がある人もぜひ最後まで読んで参考にしてください。

サムネイル

ヒートショックとは何か

画像

ヒートショックとは、急激な温度差によって血圧が大きく変動し、身体に強い負担がかかる状態を指します。寒い場所では血管が収縮して血圧が上昇し、暖かい場所では血管が拡張して血圧が低下します。この急激な上下動が問題となるのです。 たとえば冬場、暖房の効いた部屋から寒い脱衣所や浴室へ移動すると、体は熱を逃がさないよう血管を収縮させます。その後、熱い湯船に浸かると今度は一気に血管が拡張し、血圧が急降下します。若い人はある程度耐えられますが、高齢者や高血圧などの持病がある方では、この血圧の乱高下が心筋梗塞や脳梗塞、不整脈、意識消失など重大な結果につながる可能性があります。

どのような症状が現れるのか

画像

ヒートショックの症状は軽いものから重いものまでさまざまです。めまいや立ちくらみ程度でおさまることもありますが、呼吸困難や胸痛、激しい頭痛、嘔吐、意識消失などが起きる場合もあります。 軽症であれば安静で回復することもありますが、胸痛や意識消失を伴う場合は命に関わる可能性があります。その場合はすぐに救急要請が必要です。嘔吐がある場合は体を横向きにし、誤嚥を防ぐことが重要です。早い判断が命を守ります。

どれほど深刻な問題なのか

ヒートショックは決してまれな事故ではありません。日本では年間約17,000人がヒートショック関連で亡くなっていると報告されており、交通事故による死亡者数を大きく上回っています。 さらに、その約9割が高齢者です。つまり、これは高齢社会における重要な健康課題なのです。家庭内で起こるため軽視されがちですが、実際には非常に重大なリスクをはらんでいます。

リスクが高い人の特徴

画像

とくに注意が必要なのは、65歳以上の高齢者や、狭心症・心筋梗塞・脳卒中の既往がある方、高血圧・不整脈・糖尿病を抱えている方です。飲酒習慣がある人、食後すぐ入浴する人、服薬直後に入浴する人もリスクが高まります。 また、42℃以上の高温浴や長時間入浴の習慣、浴室や脱衣所に暖房がない住宅環境、リビングと浴室・トイレが離れている間取りも危険因子です。生活習慣と住環境の両方が関係している点が特徴です。

今日からできる予防策

画像

ヒートショックは、日常の工夫で予防できる可能性があります。まず、脱衣所や浴室、トイレをあらかじめ暖め、室温差を小さくすることが基本です。湯温は41℃以下、入浴は10分以内を目安にし、肩まで長く浸からないようにします。入浴時はゆっくり動き、かけ湯で体を慣らすことも大切です。 食後や飲酒後、服薬直後の入浴は避け、入浴前後には水分補給を行いましょう。家族がいる場合は入浴前に一声かけることで、異変に早く気づいてもらえます。外出時の防寒対策や、排便時に無理にいきまないことも重要な予防策です。

まとめ

ヒートショックは、急激な温度差による血圧変動が引き起こす重大な健康リスクであり、とくに高齢者では命に関わる可能性があります。年間の関連死亡者数は非常に多く、決して軽視できる問題ではありません。しかし、室温管理や入浴方法の見直し、水分補給、生活習慣の工夫など、日常の少しの配慮でリスクを減らすことができます。冬場はとくに注意が必要です。正しい知識を持ち、できる対策を積み重ねることが、自分と家族の命を守ることにつながります。