2026/03/24

「ただの花粉症」じゃないかも? 高齢者の鼻水・咳が示す「誤嚥性肺炎」の隠れたサイン

3月は、スギ花粉の飛散がピークを迎える季節です。「なんだか鼻がムズムズする」「喉がイガイガする」といった症状は、多くの日本人にとって春の風物詩ともいえるでしょう。しかし特に高齢の方の場合、こうした症状が単なる花粉症や風邪ではなく、もっと深刻な「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」のサインである可能性が潜んでいます。訪問診療の現場でも、「花粉症だと思っていたら、実は誤嚥が始まっていた」というケースに出会うことがあります。 本記事では、誤嚥性肺炎の予防方法についてわかりやすく解説します。ご家族やご自身の健康を守るためにも、ぜひ参考にしてください。

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誤嚥性肺炎とは何か?高齢者に多い理由

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誤嚥性肺炎とは、食べ物や唾液と一緒に口の中の細菌が誤って気管に入り、肺で炎症を起こす病気です。 飲み込む力(嚥下機能)は60代から少しずつ低下し、75歳ではほぼ全員に何らかの衰えが見られると言われています。厚生労働省のデータでは70歳以上の肺炎の約7割が誤嚥性肺炎であり、令和4年には日本人の死因の第6位(3.6%)を占めています。「年齢のせい」と思いがちな飲み込みのもたつきが、命に関わる肺炎につながることがあるのです。

なぜ花粉症の時期にリスクが高まるのか

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花粉症で鼻が詰まると、口呼吸が増えて口の中が乾燥しやすくなります。唾液には口腔内の細菌を洗い流す働きがありますが、口が乾くと細菌が増えやすくなり、誤嚥性肺炎のリスクが高まります。 また、花粉症の薬の中には口腔乾燥を副作用として引き起こすものがあります。慢性的な咳が続くと喉の粘膜が炎症を起こし、飲み込む力がさらに低下することも。「花粉症だから仕方ない」と見過ごさず、咳や飲み込みの変化に注意を向けることが大切です。

見逃さないで!ご家族が気づきたい「隠れたサイン」

誤嚥性肺炎は、典型的な発熱や激しい咳が出ない「不顕性誤嚥(ふけんせいごえん)」として進行することがあります。次のようなサインに気づいたら、早めに訪問診療チームへご相談ください。 ・食事中や食後に頻繁にむせる、ガラガラ声になる ・食欲が落ちて、食事量が減ってきた ・痰が絡む咳が続く、痰が黄色や緑色になった ・微熱が続く、なんとなく元気がない ・最近、声がかすれてきた、弱々しくなった

訪問医療チームができるサポート

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アグリーグループでは、「ただの風邪かな」「花粉症だろう」と思われがちな症状も、訪問診療の医師が丁寧に評価します。必要に応じて嚥下機能の確認や薬の見直し(口腔乾燥を引き起こす薬の調整など)も行います。訪問看護師・言語聴覚士・管理栄養士・訪問介護士が連携し、ご自宅での予防ケアを多職種でサポートします。「気のせいかな」と思っても、遠慮なくご相談ください。

まとめ

花粉症の季節に現れる鼻水や咳を「季節の症状」と見過ごさず、高齢者の場合は誤嚥性肺炎のサインかもしれないという視点を持つことが、大切な家族を守ることにつながります。日々の小さな変化を見逃さず、気になることがあればいつでもご連絡ください。アグリーグループは、訪問診療を中心に、訪問看護、訪問介護、住宅型有料老人ホームの運営を通じて、患者様とそのご家族の「自分らしい暮らし」をトータルでサポートしています。人生会議についてのご相談や、訪問診療にご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。専門のスタッフが、皆様の不安に寄り添い、最適なサポートをご提案いたします。