2023/10/11

【高齢者】インフルエンザの重症化を防ぐには予防接種が有効

毎年多くの人が感染するインフルエンザですが、高齢者は重症化リスクが高く、特に注意が必要とされています。そんなインフルエンザの重症化から高齢者を守るのに有効な手段が、予防接種(ワクチン接種)です。 今回は、高齢者がインフルエンザで重症化しやすい理由を解説したのち、予防接種の重要性について解説していきます。

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高齢者で重症化しやすい理由

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季節性インフルエンザは毎年多くの人が感染しますが、重症化率は年齢とともに上昇します。報告では、60歳未満の重症化率が0.03%であるのに対し、60歳以上では0.79%と明らかな差がみられます。 高齢者で重症化しやすい背景には、加齢に伴う免疫機能の低下や体力の衰えがあります。ウイルスに対する防御反応が弱まり、感染後に急速に状態が悪化することがあります。また、持病を抱えている場合も多く、それが重症化リスクをさらに高めます。

高齢者にみられるインフルエンザの特徴

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一般的なインフルエンザでは、38〜40℃の高熱や頭痛、筋肉痛、倦怠感、咳や鼻症状などが現れます。しかし高齢者では、必ずしも高熱が出るとは限らず、発見が遅れることがあります。 発熱が目立たないまま、食欲低下や元気がないといった非特異的な症状で始まることもあり、気づいた時には重症化しているケースもあります。この「症状が典型的でない」点も、重症化の一因といえます。

合併症と死亡率の上昇

高齢者では、インフルエンザ後に肺炎を合併するリスクが高まります。熱が下がらない、再び発熱する、息苦しさがある、食事や水分摂取量が減るといった症状は注意が必要です。 特にウイルス性肺炎に続いて細菌性肺炎を併発すると、状態は急速に悪化します。治療で回復したとしても、長期の臥床により体力が低下し、寝たきりのきっかけになることもあります。重症化は単に一時的な問題ではなく、その後の生活機能にも影響を及ぼします。

予防接種の意義と接種時期

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重症化を防ぐうえで最も有効な対策が予防接種です。ワクチンは感染を完全に防ぐものではありませんが、発症や重症化、死亡のリスクを大きく減らすことが示されています。国内研究では、65歳以上で重症化による死亡を約80%抑制する効果が報告されています。 接種は流行の2〜3週間前が適切とされます。免疫形成には時間がかかり、効果は3〜5か月程度で徐々に低下するため、時期を見極めることが重要です。自治体の案内を活用し、対象者や費用、実施期間などを確認しておきましょう。

日常生活でできる感染対策

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ワクチンに加え、手洗い・うがい・手指消毒は基本的な予防策です。ウイルスは飛沫だけでなく、手を介して粘膜から侵入するため、帰宅後の手洗いは重要です。 マスクの着用は飛沫感染予防に有効であり、自身を守るだけでなく周囲への感染拡大防止にもつながります。さらに、2〜3時間ごとの換気や適度な加湿は、室内でのウイルス拡散を抑えます。十分な睡眠、栄養、適度な運動など規則正しい生活を保つことも、免疫機能を維持するうえで欠かせません。

まとめ

高齢者がインフルエンザで重症化しやすいのは、免疫力の低下や基礎疾患の影響、症状が典型的に現れにくいことなどが重なるためです。重症化すると肺炎などの合併症を招き、生活機能の低下や死亡リスクの上昇につながります。予防接種は重症化を防ぐ有効な手段であり、適切な時期に接種することが重要です。加えて、日常的な感染対策と生活習慣の管理が、健康を守る基盤となります。正しい知識と早めの備えが、高齢期のリスクを大きく減らします。