2022/07/20
夏になると怖いのが「熱中症」です。気温が高くなると、熱中症で救急搬送される方も多く、最悪命を落とす可能性があります。そのため熱中症から身を守ることが大切です。 今回は熱中症の原因や予防方法について解説します。夏本番に向けて、ご自身や周りの方の身を守るためにも、しっかり理解しましょう。
近年、夏になると熱中症のニュースを目にしない日はないほどです。熱中症とは、高温環境にさらされることで体温調節機能がうまく働かなくなり、体内の水分や塩分が不足することで、頭痛やけいれん、意識障害などを引き起こす状態を指します。 東京消防庁のデータでは、令和元年6月から9月までの4か月間に5,634人が熱中症(疑いを含む)で救急搬送され、そのうち約4割が入院を要する中等症以上と診断されています。さらに搬送者の約53%は65歳以上でした。高齢者では重症化しやすく、命に関わる疾患であることがわかります。
熱中症は大きく四つの病型に分けられますが、実際にはこれらが重なり合って発症することが少なくありません。 熱失神は、暑さによる血管拡張で血圧が低下し、脳への血流が減ることで起こります。めまいや失神が特徴です。 熱けいれんは、大量の発汗後に水だけを補給した場合などに起こり、手足のけいれんや筋肉痛がみられます。 熱疲労は脱水によるもので、強い倦怠感や吐き気を伴います。 最も重い熱射病では体温が異常に上昇し、意識障害や多臓器不全を引き起こし、迅速な救急対応が必要です。
熱中症は「環境」と「からだ」の要因が重なって起こります。気温や湿度が高く、風が弱く、日差しが強い環境は危険です。一方で、寝不足や疲労、暑さに慣れていない状態、激しい運動も発症を助長します。 特に注意が必要なのは乳幼児と高齢者です。乳幼児は体温調節機能が未熟で、ベビーカーは地面からの照り返しの影響を強く受けます。高齢者は体内水分量が少なく、喉の渇きや暑さを感じにくいため、気づいた時には重症化していることがあります。
熱中症は7〜8月の真夏に多く発生しますが、近年は6月から気温が高くなる傾向があり、梅雨明け直後など体が暑さに慣れていない時期も危険です。真夏日(30度以上)で増え始め、猛暑日(35度以上)では急増します。湿度の高さや熱帯夜もリスク要因です。 こうした危険性を知らせるのが「熱中症警戒アラート」です。暑さ指数(WBGT)に基づき、危険度が極めて高いと予測される場合に発表され、現在は全国で運用されています。テレビやラジオ、気象庁や環境省のウェブサイトなどで確認できるため、日々の行動判断の目安になります。
熱中症が疑われた場合は、まず涼しい場所へ移動し、衣服を緩めて体を冷やします。首元や脇の下、太ももの付け根など太い血管を冷やすことが効果的です。水分とともに塩分も補給しますが、自力で飲めない、意識がもうろうとしている場合はすぐに救急要請が必要です。 予防の基本は、暑さを避けること、通気性のよい服装、こまめな水分補給、そして暑さに慣れる体づくりです。屋内ではエアコンや扇風機を適切に使い、直射日光を遮る工夫をします。水分は喉が渇く前にとることが大切で、カフェイン飲料は利尿作用があるため注意が必要です。麦茶や経口補水液などが適しています。
熱中症は高温多湿の環境下で起こる、予防可能でありながら重症化すれば命に関わる疾患です。特に高齢者では重症化しやすく、早期の気づきと対応が重要です。<br /> 環境条件を理解し、警戒アラートを活用しながら、日常的な水分補給や室温管理を徹底することが最大の予防策です。電気代を気にして冷房を控えることが健康を損なっては本末転倒です。暑さと正しく向き合い、無理をしない生活を心がけることが、夏を安全に乗り切る鍵となります。
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