2021/12/22

最期をどこで迎える?看取りの場所について考えよう。

皆さんは人生の最期をどこで過ごすか考えたことはあるでしょうか。「看取り」と聞くと、「自分にはまだ早いのではないか」と思われる方も多いと思いますが、今のうちから話し合っておくことがとても大切です。 今回は看取りや最期を迎える場所について解説します。ぜひこの記事をきっかけに、ご家族とも話し合っておくことをおすすめします。

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看取りとは何か

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看取りとは、近い将来死が避けられないとされた人に対し、身体的・精神的苦痛を和らげながら、人生の最期まで尊厳ある生活を支えることを指します。かつては延命治療を中心に病院で最期を迎えることが一般的でしたが、点滴や人工呼吸器など多くの医療機器に囲まれ、意思疎通が難しいまま過ごすことに疑問を感じる声もありました。 転機となったのは平成18年の介護報酬改定で「看取り介護加算」が創設されたことです。これにより、延命だけでなく、その人らしく穏やかに最期を迎えるという考え方が広がり、訪問診療や訪問看護を活用した在宅や施設での看取りが現実的な選択肢となりました。

ターミナルケア・緩和ケアとの違い

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看取りと似た言葉にターミナルケアがあります。ターミナルケアは終末期医療を意味し、積極的治療を行わず、痛みの緩和など苦痛を軽減する医療的ケアを指します。 一方で緩和ケアは、がん患者を中心に身体的・精神的苦痛を和らげ、その人らしい生活を支える取り組みです。末期だけでなく、診断直後から治療と並行して行われることもあります。看取りはこうした医療的支援を含みながら、人生の最終段階を支える包括的な関わりと言えます。

日本における最期の場所

日本では約7割の人が病院で亡くなっています。自宅で最期を迎えたいと希望する人は半数を超える一方で、実際には医療体制や家族の負担を考え、病院を選択するケースが多いのが現状です。 子どもの家や介護施設を避けたいと考える人も多く、家族に迷惑をかけたくないという思いも背景にあります。医療者が常にいる安心感から病院を選ぶ傾向は強いものの、価値観としては自宅志向が高いことがわかります。

看取りができる場所

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看取りの場所は病院だけではありません。療養型病院や緩和ケア病棟では医療度の高い人を中心に受け入れ、中心静脈栄養や麻薬による疼痛コントロールなども行われます。 介護施設でも、看護師が配置されている施設を中心に看取り対応が増えています。ただし医療行為には限りがあるため、事前の確認が必要です。 自宅での看取りも可能で、訪問診療や訪問看護を利用すれば医師の指示のもと点滴などの処置も行えます。24時間体制の支援があれば、安心して自宅で過ごすことができます。事前に訪問診療を導入しておくことは、家族の負担軽減にもつながります。

事前に話し合うことの重要性

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最期をどこで迎えるかは、本人にとって非常に大切な選択です。しかし元気なうちに具体的に考える機会は多くありません。だからこそ、意思表示ができるうちから家族と話し合うことが重要です。 近年普及している「人生会議」は、治療やケア、価値観について本人・家族・関係機関が話し合う取り組みです。事前に希望を共有しておくことで、本人の後悔を減らし、家族の精神的負担を軽減することにつながります。

まとめ

看取りとは、延命だけを目的とせず、苦痛を和らげながらその人らしい最期を支えるケアです。病院だけでなく施設や自宅も選択肢となりつつありますが、実現には事前の話し合いと医療・介護体制の整備が欠かせません。本人の意思を尊重するためにも、早い段階から家族や専門職と対話を重ねることが大切です。