2021/08/04

セキュリティに関する医療ガイドラインの改定と問われる内容

第一版は平成11年4月の「法令に保存義務が規定されている診 療録及び診療諸記録の電子媒体による保存に関する通 知」、及び平成14年3月通知「診療録等の保存を行う場所 について」に基づき作成された各ガイドラインを統合しました。そして法令に保存義務が規定されている診療録及び診療諸記録の電子媒体による保存に関するガイドライン及び医療・介護関連機関における個人情報保護のための情報システム運用管理ガイドラインを作成しました。

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第二版の改定内容

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IT新改革戦略で安全なネットワーク基盤の確立が掲げられ 医療が重要インフラと位置付けられたことを受け 医療分野でもIT障害やサイバー攻撃への体系的な対応が求められました そのため医療機関間で個人情報を含む医療情報を安全に交換するためのネットワーク要件が整理され 外部と医療情報をやり取りする際の安全管理が明確化されました また 自然災害やサイバー攻撃によるIT障害への対応として 災害時や非常時の対応指針が新設され 医療のIT依存度を踏まえた対策が示されました

第三版の改定内容

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その後 医療情報を取り巻く環境の変化を受け 医療健康情報を扱う際の責任とルールが整理され 電子的な医療情報を扱う際の責任のあり方が明確化されました 外部保存を受託する機関の選定基準や情報取扱基準も見直されています さらに 無線LANやモバイル利用に伴う脅威分析を踏まえ 技術的要件が追記されました モバイルネットワーク利用時の安全管理や 情報機器やデータを外部へ持ち出す際の新たなリスクにも対応指針が設けられています

近年の動向と対象範囲の拡大

医療機関へのサイバー攻撃の高度化 地域医療連携や医療介護連携の推進 IoTなど新技術の普及を背景に 標準規格や個人情報保護法改正への対応が進められました ガイドラインの対象も拡大され 病院や診療所だけでなく 薬局 訪問看護ステーション 介護事業者 医療情報連携ネットワーク運営事業者など 電子的医療情報を扱う責任者が明確に位置付けられました

診療録等の保存と電子化

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診療録や助産録 調剤録 救急救命処置録など 多くの法令で保存が義務付けられている記録が対象とされています 医療法や医師法 薬剤師法などに基づく各種記録が含まれ 保存場所や管理方法の適正化が求められています 電子化が進む中 サイバー攻撃の巧妙化を踏まえ セキュリティ対策の徹底が不可欠です 患者情報は極めて重要な個人情報であり 管理責任体制の整備と漏えい防止策が強調されています その枠組みとして 厚生労働省のガイドラインと 総務省 経済産業省の事業者向け指針を合わせた三省二ガイドラインが整備されています

患者の安全と情報管理

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医療の安全は診療技術だけでなく 情報の適切な管理からも支えられています 自分の診療情報が守られていることは 患者にとって大きな安心材料です サイバー対策や保存基準の整備は 医療の質を守るための土台ともいえます

まとめ

医療は重要インフラとして位置付けられ IT基盤の安全確保が国家的課題となっています ガイドラインは改定を重ね ネットワーク管理 災害対策 モバイル利用 個人情報保護まで対象を広げてきました 電子化が進むほど 情報管理の責任は重くなります 患者の安全と信頼を守るために 医療と情報セキュリティは切り離せない存在となっているのです