2021/03/31

遺伝する病気の種類ってどれくらい?遺伝疾患を解説します

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健康とは何か、病気とは何か

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健康と病気の違いは単純ではありません。WHOは「健康とは、単に病気でない状態ではなく、身体的・精神的・社会的に満たされた状態」と定義しています。日本では331種類の特定疾患が指定され、さらに数百種類の病気が存在しますが、病気を抱えているからといって必ずしも不健康とは限りません。実際に、疾患と向き合いながら生活の質を保っている人もいます。健康と病気は対立概念ではなく、連続線上にあるものだと理解することが大切です。

病気の主な分類

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病気は大きく感染症・生活習慣病・遺伝疾患に分けられます。感染症はウイルスや細菌が体内に侵入して起こるもので、飛沫感染・接触感染・空気感染(エアロゾル感染を含む)などの経路があります。風邪やインフルエンザ、新型コロナ、A型・B型肝炎、AIDS、ノロウイルス、さらに牛由来のBSEも含まれます。生活習慣病は日常生活が要因となる疾患で、糖尿病・高血圧・脂質異常症・肝臓がん・肺がんなどが代表例です。運動不足、ストレス、飲酒、喫煙といった習慣が関係します。遺伝疾患は遺伝子や染色体の異常が関係する病気です。

遺伝疾患の原因と具体例

遺伝疾患には環境要因と遺伝要因があります。環境要因には妊娠中の風疹感染による先天性風疹症があり、難聴や心疾患、白内障などのリスクが妊娠週数により変化します(妊娠4〜6週で100%、7〜12週で80%、13〜16週で50%、17〜20週で6%、20週以降0%)。放射線、未承認薬、喫煙や多量飲酒も影響します。遺伝要因では、HTLV-1感染を背景に30〜50年の潜伏期間を経て発症する成人T細胞白血病リンパ腫が挙げられます。

単遺伝子疾患と染色体異常

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単遺伝子疾患は1つの遺伝子異常で発症し、常染色体優性(フォンレックリングハウゼン病)、常染色体劣性(約600種)、X連鎖(血友病、ビタミンD抵抗性くる病)に分類されます。染色体異常疾患は46本23対の染色体の数や構造異常によって起こります。ダウン症候群は21番染色体が3本になる疾患で、医療の進歩により長期生活も可能になっています。13番トリソミーは重度知的障害や耳介形成不全を伴い、18番トリソミーは寿命が極めて短く、生後1週間以内に半数以上が亡くなります。

遺伝疾患と向き合うということ

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遺伝疾患は「今発症していないから問題ない」というものではなく、あくまで発症要因の一つです。親が高血圧であれば自分もなり得る可能性を理解することが重要です。現在では民間の遺伝子検査で約300項目の病気のなりやすさや体質を調べることもできます。正しい知識は、自分や家族を責めないためにも必要です。遺伝疾患を抱える人は、症状の有無にかかわらず定期的な受診で健康管理を行うことが大切です。健康と病気は表裏一体であり、今問題がなくても将来はわかりません。日々のメンテナンスこそが、安心につながります。

まとめ

健康は単に病気がない状態ではなく、身体・精神・社会的に満たされた状態です。病気には感染症、生活習慣病、遺伝疾患があり、とくに遺伝疾患は環境要因と遺伝要因の両面から理解する必要があります。正しい知識を持つことで、自分や家族を責めずに向き合うことができ、早期の医療管理にもつながります。健康と病気は切り離せないものだからこそ、知ることが第一歩になります。