2021/02/03

コロナが影響して歯科医院へ通わない人が続出?歯科と全身の関係ご存知ですか?

コロナの影響で人混みを避けるような生活スタイルへ変えた人は多いのではないでしょうか。飲食店はもちろん、病院の待合室や駅のベンチでもソーシャルディスタンス(社会的距離)を啓発する張り紙がされています。俗にいうコロナ患者を受け入れている病院では、患者さんが「感染するかも」という不安な気持ちを持っていることが多いです。歯科医院にも同じように、通院すると感染するのでは?という気持ちを抱いている方が一定数います。今回はそんな定期検診に関するお話をしたいと思います。

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歯科医院への通院状況と関心の高まり

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歯科医院に通院する人は長期的に増加してきました。昭和30年には年間約37万人だった通院者数は、昭和50年代に急増し、その後は高水準で推移しています。平成以降も増加傾向が続いており、歯科医療への関心が高まってきたことがわかります。歯科医院は「痛くなったら行く場所」から、日常的に関わる医療機関へと位置づけが変わってきました。

虫歯治療から予防中心への変化

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かつて歯科通院の主な目的は虫歯治療でしたが、現在は大きく様変わりしています。子どもの虫歯本数はこの数十年で大幅に減少し、令和の時代には虫歯そのものに悩む人は少なくなりました。 その背景には、フッ素入り歯磨き粉の普及や水道水中のフッ素による虫歯予防効果があります。一方で、歯周病の罹患率は増加しており、歯を失う最大の原因となっています。こうした流れから、歯科医療でも予防医学の考え方が本格的に導入されるようになりました。

歯を残す時代と歯周病の増加

虫歯が減ったことで、歯を削ったり抜いたりせず「歯を残す」意識が広まりました。ホワイトニングやセラミック治療など、見た目や生活の質を重視する人も増えています。 日本歯科医師会が推進する「8020運動」により、高齢になっても自分の歯が残る人が増えましたが、その結果、歯周病患者も増加しています。歯が残っているからこそ、歯を支える組織の病気である歯周病が問題として浮かび上がってきたのです。

メインテナンス中心の歯科医療とコロナの影響

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現在、歯科通院者の約3割はメインテナンス目的で定期的に通院しています。初期虫歯や歯周病を早期に見つけ、重症化を防ぐための予防的な通院です。 しかし新型コロナウイルスの流行により、このメインテナンス通院が減少しました。実際に、通院回数の減少によって口腔環境が悪化したという報告もあります。メインテナンスを受けている人ほど自己管理が難しいケースも多く、通院控えが病状悪化につながる可能性があります。

歯科と全身疾患の深い関係

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歯科医療は口の中だけの話ではありません。歯周病は糖尿病のコントロールを悪化させ、誤嚥性肺炎や認知症、妊娠中の低体重児出産との関連も指摘されています。 歯科医院での口腔ケアは、全身疾患の予防や治療効果の向上にもつながります。近年は歯科医院側でも換気、エアロゾル対策、消毒、体調確認など感染対策が徹底され、安心して通院できる環境が整えられています。

まとめ

歯科医院の定期検診は、虫歯や歯周病を防ぐだけでなく、全身の健康を守るための重要な医療です。コロナ禍で通院をためらう気持ちは自然ですが、予防を止めることで失うものも少なくありません。感染対策が整った今こそ、「通わない理由」を探すのではなく、将来の健康のために歯科との付き合いを続けていくことが大切です。