2021/01/27

新型コロナウイルスの流行や緊急事態宣言下でのがん検診の重要性について

みなさんは定期的に通院が必要ですか?糖尿病・高血圧・がんなど様々な病気で定期的な通院を必要としている方がいます。しかし、2019年から世界へ流行し始めた新型コロナウイルスの影響により、定期的な通院ができなくなっている人がいます。今回はそんな様々な人の病院事情について紹介していこうとおもいます。

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緊急事態宣言下で変わった「病院」の位置づけ

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2020年春、日本で新型コロナウイルス感染症が確認されてから、短期間で緊急事態宣言が発出されました。志村けんさんの訃報は社会に大きな衝撃を与え、「病院は安全な場所」というこれまでの認識を揺るがせた出来事だったと言えます。 その結果、「病院へ行くことで感染するのではないか」という不安が広がり、受診控えが起こりました。発熱があれば帰国者・接触者外来に電話する仕組みも、一般外来への心理的ハードルを高めました。多くの病院では面会禁止や診療制限、健診延期を実施し、結果として定期通院が必要な患者にとっての“見えにくい医療崩壊”が生じました。

コロナ前までのがん検診への意識

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コロナ流行前、日本では「がん」への危機意識は高く、検診受診率も着実に上昇していました。胃がんや肺がんをはじめ、乳がんや子宮頸がん検診も2010年と比べて受診率は大きく改善しています。 検診の普及と治療精度の向上により、がんの早期発見や5年生存率の向上が実現してきた背景があり、がん検診は日本の医療の中で重要な役割を担っていました。

新型コロナによる検診受診行動の変化

新型コロナは医療全体に影響を及ぼし、がん検診も例外ではありませんでした。調査では、2020年に予定していた検診をコロナの影響で受けなかった人が1割を超えています。 実際、がん検診受診者数は大きく減少し、2020年は前年の半分以下に落ち込んだ月もありました。特に緊急事態宣言以降の減少は顕著で、検診そのものが後回しにされてしまった状況が浮き彫りになりました。

検診を受けないことがもたらす影響

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がん検診を受けないことで最も懸念されるのは、早期発見の機会を失うことです。肺がんを例にすると、ステージ1では高い生存率が期待できますが、進行するにつれて生存率は大きく低下します。 検診控えが続けば、将来的に進行がんや末期がんが増え、がん死亡数の増加につながる可能性があると専門家は警鐘を鳴らしています。がんは「待ってくれない病気」であることが、改めて指摘されています。

コロナ禍でも続けられる検診体制

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各がん検診学会は、コロナ禍における検診実施のための感染対策を明確に示しています。肺がん検診では器具消毒や検体取り扱い時の防護、乳がん検診では感染リスクが低い検査特性を踏まえた対応が取られています。 消化器がん検診では、防護具の着用や検体取り扱い時の感染対策を徹底し、精密検査が必要な場合でも安全に検査を行う体制が整えられています。実際、多くの医療機関では3密を避け、通常以上に感染対策が講じられています。

まとめ

新型コロナウイルスは病院への不安を生み、がん検診や定期受診を遠ざける結果を招きました。しかし、検診を控えることで失われるのは「早期発見のチャンス」です。医療機関や学会は感染対策を徹底しており、がん診療を止めない体制を守っています。コロナを恐れる気持ちは自然ですが、がんの進行は待ってくれません。だからこそ、必要な検診は安心して受けてほしい──それが今、最も大切なメッセージです。