2020/11/09

高齢者のワクチンの有効性を紹介します

新型コロナウイルス感染症関連で暗いニュースが続いた2020年。そんな中、11月に明るいニュースが入ってきました。新型コロナウイルス感染症に対して有効性が高いワクチンが開発されつつあるというものです。開発元はアメリカの大手製薬会社ファイザー。およそ90%程度の有効性が確認され、第3相の治験まで終了しているとのことです。今回はそんな新型コロナウイルス感染症関連のワクチンのお話や高齢者におけるワクチンの立ち位置などについて紹介していこうと思います。

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ワクチンの役割と製造の考え方

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ワクチンは病気にかからない、または重症化を防ぐ目的で接種されます。あらかじめ抗体を産生することで免疫力を獲得し、感染症予防や根絶に大きな役割を果たします。感染症を予防することで抗生物質の使用を減らし、薬剤耐性菌の発現リスクを抑える効果も期待されています。国によってはワクチン接種が義務付けられ、接種証明書がなければ入国できない場合もあります。

ワクチンの歴史と開発の始まり

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ワクチン開発の起点は天然痘でした。一度感染すると免疫を獲得するという性質を利用し、弱毒化した病原体を接種する方法が考案されました。安全性の問題を経て、牛痘を用いた予防法を確立したのがエドワード・ジェンナーです。その後、ルイ・パスツールが病原体を弱毒化することで免疫が作られる仕組みを解明し、ニワトリコレラや炭疽菌ワクチンの開発につながりました。これを契機に、多くの疾患でワクチンが開発されるようになりました。

現在使用されているワクチンの種類

ワクチンは生ワクチン、不活化ワクチン、トキソイドの3種類に分類されます。生ワクチンは一度の接種で十分な免疫を獲得できますが、安全性への配慮が必要です。不活化ワクチンとトキソイドは安全性が高い一方、複数回接種が必要になります。ワクチン接種には定期接種と任意接種があり、定期接種には高齢者を対象としたインフルエンザワクチンや成人用肺炎球菌ワクチンが含まれています。

高齢者とワクチンの安全性・有効性

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高齢者や免疫力が低下している方は、副作用への不安からワクチン接種に慎重になる傾向があります。しかし医療では、利益が不利益を上回る場合は接種を優先する考え方が基本です。インフルエンザワクチンと成人用肺炎球菌ワクチンは高齢者の命を守る重要なワクチンですが、接種率はそれぞれ50.2%、37.8%と低い状況です。インフルエンザワクチンは20〜64歳で有効性68%が確認されており、高齢者においても間接的に死亡率低下が示されています。肺炎球菌ワクチンでは、肺炎球菌性疾患を56〜81%予防できたと報告されています。

高齢者特有の疾患とワクチン予防

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高齢者は嚥下機能の低下による誤嚥の影響で、インフルエンザや肺炎球菌など呼吸器系疾患に罹患しやすくなります。これらの疾患にはワクチンがあり、高い予防効果が期待できます。高齢者本人だけでなく、家族や周囲の人がワクチン接種を意識することは、高齢者を守ることにつながります。

まとめ

新型コロナウイルス感染症ワクチンの開発は、感染症対策における大きな前進です。ワクチンは副作用への不安だけで判断するものではなく、自分自身や周囲の人を守る重要な手段です。特に高齢者にとって、インフルエンザや肺炎球菌ワクチンは重症化や死亡を防ぐ役割を担っています。正しい理解のもと、ワクチンを感染予防の一つとして活用していくことが求められます。