2020/07/16

高齢者の免許証返納について考えます

2020年現在、日本国内は4人に1人が高齢者といわれています。高齢化が進む中で若い世代が高齢者の生活を支えるよりも、高齢者がどこまで自立して生活できるのかがこれからの日本の課題となります。自立生活の中には日常生活も含まれていますが、高齢者が日常生活を送る中で必要不可欠なのが車の運転です。また、運転免許証を返却する高齢者も多くなっており高齢者の生活をどのようにして維持させるのかが今後の課題となるでしょう。今回は高齢者と免許証について紹介していきましょう。

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高齢者の運転と社会背景

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日本の総人口は約1億2000万人で、運転免許証の保有者は約8221万人とされています。国民の約70%が運転免許証を保有しており、車社会が定着していることが分かります。その分、交通事故も多く、運転手の注意やマナーが重要視されるようになりました。平成の終わり頃からは、高齢者が関与する交通事故が目立つようになり、高齢化社会の進行とともに注目される問題となっています。

高齢者の交通事故発生状況

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警視庁の「高齢運転手が関与した交通事故発生状況」によると、平成19年の年間交通事故発生件数は約6万8000件で、そのうち約13%が高齢者による事故でした。その後、事故件数自体は減少傾向となり、平成23年には約5万1000件、平成28年には約3万2000件まで減っています。自動ブレーキなど車両技術の進歩も影響していると考えられます。一方で、高齢運転者が占める事故の割合は増加しており、平成23年は約16%、平成28年には約22%となっています。

高齢者だけが事故の原因なのか

高齢者による事故が増えている一方で、交通事故の全てが高齢者の責任とはいえません。年齢別事故件数を見ると、10代の事故件数も多く、次いで80歳以上、70歳代が続きます。運転免許を取得して間もない若年層も事故リスクが高く、高齢者だけを問題視するのではなく、年齢ごとの特性を踏まえた対策が必要であることが分かります。

高齢者の交通事故原因と運転環境

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公益財団法人交通事故総合分析センターの調査では、高齢者の事故は出会い頭や右左折時など、交通状況を認知し判断する場面で多く発生しています。特に信号機のない交差点での出会い頭事故が多いのが特徴です。高齢者の事故には空間認識力の低下が関係しているとされており、その対策として免許更新時の講習や認知機能検査が導入されています。茨城県では70歳以上に高齢者講習が義務付けられ、75歳以上には認知機能検査が実施されています。

実際に起きた高齢運転手の事故と免許返納

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実際には、逆走事故やアクセルとブレーキの踏み間違い、高速道路での逆走、池袋での暴走事故など、高齢運転手による重大事故が発生しています。中には認知症やパーキンソン病の疑いを指摘されながら運転を続けていたケースもあり、社会全体に大きな衝撃を与えました。 運転に自信がなくなった場合や、家族から指摘を受けた場合には、免許証の自主返納を検討することが重要です。茨城県内では、免許返納者に対して公共交通機関やタクシー利用の支援制度も整備されています。

まとめ

高齢者の運転は自立した生活を支える一方で、交通事故のリスクも伴います。事故件数は減少しているものの、高齢者が占める割合は増加しています。運転能力を過信せず、講習や検査を受けながら判断することが重要です。自分や家族、そして他者の命を守るためにも、運転に不安を感じたときは免許証の自主返納を含めた選択を考える必要があります。