2020/03/20
「医療崩壊」という言葉を聞く機会が増えていませんか?新型コロナウイルス感染症を取り上げるときに必ずといって良いほど医療崩壊というキーワードも登場します。そこで今回は医療崩壊の原因としてどのようなものがあるのか、医療崩壊が起きるとどのようなことが起きるのかなどについて紹介していこうと思います。
医療崩壊とは、安定的かつ継続的な医療提供体制が成り立たなくなる状態の総称です。 普段は医療機関の窓口で保険証を提示すれば、診察や検査、処置、処方を受けることができます。しかし医療崩壊が起きると、こうした「当たり前の医療」が受けられなくなります。 医療崩壊は突発的な出来事ではなく、複数の要因が積み重なって徐々に進行していくのが特徴です。
患者数の急増は、医療崩壊を引き起こす最も分かりやすい要因です。 新型コロナウイルス感染症では、入院療養が必要な患者が一気に増え、病院の受け入れ能力を超える事態が発生しました。日本の病院は平時でも満床に近い状態が多く、新規入院のために他の患者を退院させるケースもあります。 患者数が急増すると、外来診療の縮小、医師の病棟配置、医薬品や人工呼吸器の不足などが連鎖的に起こり、医療機関全体の機能が低下します。
日本の国民医療費は2020年時点で約42兆円を超え、今後も増加が予測されています。 医療費抑制策として診療報酬点数の引き下げが行われると、医療機関は限られた時間で多くの患者を診療せざるを得なくなります。その結果、検査や診察が分割される、十分な説明が難しくなるなど、医療の質に影響が出る可能性があります。 医療費削減は必要な政策である一方、行き過ぎると医療崩壊を招くリスクを抱えています。
医療従事者不足、とくに医師不足は日本の慢性的な問題です。 資格を持ちながら現場で働いていない人が一定数存在し、過疎地や医師不足地域が生まれています。医療従事者が不足すると、一人あたりの業務負担が増え、疲弊による離職が進む悪循環に陥ります。 医療崩壊を防ぐためには、収入面や労働環境など、働き続けられる仕組みづくりが不可欠です。
医療崩壊を防ぐためには、事前の対策が重要です。 感染症対策では、PCR検査などを必要な対象に適切に実施し、感染拡大を抑えることが求められます。 医療費対策では、診療報酬削減だけでなく、自己負担割合の見直しも議論されています。 人材確保の面では、医学部新設や地域枠、奨学金制度により、年間200〜300名規模で医師数の増加が図られています。 また、遠隔医療の導入により、医療従事者不足を補完する取り組みも進んでいます。
医療崩壊は、患者数の増加、医療費削減、医療従事者不足が重なって起こります。一度崩壊すると、元の状態に戻すには時間と労力が必要です。感染症対策、制度設計、人材確保、遠隔医療の活用を組み合わせながら、医療が当たり前に受けられる環境を守ることが求められています。
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