2020/02/28
遠隔医療という言葉も昔に比べるとよく聞くようになりました。へき地医療や医師不足で悩んでいる地域の方は遠隔医療に助けられていることが多いです。しかし、遠隔医療には昔から「医師法」に抵触するという見方がされていました。現在では様々な解釈のもと、遠隔医療が合法的になっています。在宅医療における遠隔医療がどのような立ち位置となるのか紹介していこうと思います。
遠隔医療が公的に整理されたのは1997年です。 この年に厚生省健康政策局長通知として遠隔診療通知が出されました。 それ以前から遠隔診療は行われていましたが、医師法に抵触するのではないかという懸念がありました。 医師法第20条では、医師は自ら診察せずに治療や処方を行ってはならないと定められています。 この「診察」に遠隔医療が該当するのかが問題とされてきました。 1997年の通知では、現代医学の観点から疾病の診断に用いる行為は診察に含まれると解釈され、遠隔医療は診察に該当すると整理されました。 ただし、初診や急患は原則として対面診療が必要とされています。
一般的に遠隔医療とは、テレビ電話やインターネット電話を用いたオンライン診療を指します。 医師が患者さんの顔や仕草を見ながら問診を行い、必要に応じて患部を確認します。 また、スマートフォンの普及により、医療相談アプリも増加しています。 血液検査や画像診断は行えませんが、主訴や現病歴から疾患の可能性や緊急性を判断する形で活用されています。 遠隔医療は対象によっても分類されます。 専門医が医師を支援する形はDoctor to Doctor(D to D)、 患者さんを直接診察する形はDoctor to Patient(D to P)と呼ばれています。
遠隔医療は、医師不足や専門医不在に悩む地域で求められています。 へき地や無医村では、すぐに医師の診察を受けられないこともあります。 そのような地域でオンライン診察や医療相談が可能になることは、大きな安心材料となります。 医療相談アプリも同様に、すぐに受診できない地域の方にとって相談先があるだけで心理的負担の軽減につながります。
2017年度時点で、遠隔放射線画像診断は3710施設、遠隔病理診断は560施設、遠隔在宅医療は470施設で実施されています。 特に遠隔放射線診断が多いのは、画像データの電子化が進んだことが背景にあります。 近年では、IoTを活用した血圧モニタリングやオンライン診察が行われています。 血圧データの可視化は、患者さんの健康管理やモチベーション維持にも役立っています。 一方で、課題も明確になっています。 オンライン診察では個人情報の管理が重要であり、情報漏洩への対策が求められます。 また、医師には対面診療と同様に責任があり、オンライン診察の限界を理解した上で実施する必要があります。 医療の質を一定に保つことも重要な課題です。
在宅医療を受ける方の多くは、通院が困難な方です。 その中で遠隔医療は、不安を感じやすい方の心理的な支えとして活用されます。 頻回な訪問をためらう方にとって、オンライン相談は心を落ち着かせる役割を果たします。 また、血圧や歩数など日常的なデータの蓄積は健康管理につながります。 日頃からデータを残しておくことで、体調変化時に医師の判断材料として役立ちます
遠隔医療は医師法の解釈整理を経て、現在では医療支援の一つとして定着しています。特に在宅医療では、対面診療を補完する形で患者さんの安心感や満足度を高める役割を担っています。医療の質と安全性を確保しながら、今後も遠隔医療は在宅医療の重要な要素として活用されていくでしょう。
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