2020/01/10

在宅ケアにおける患者さんご家族が感じる看護のあり方と家族の看護

患者さんが自宅などで医療を受けることを在宅医療といいます。在宅医療を進めていく中で一番大変な思いをしているのは、病気療養をしている患者さん本人です。そんな患者さんを支えようと同居しているご家族や在宅医療を支えているご家族の方は日々尽力しているのではないでしょうか。そこで今回は患者さんが看護のあり方についてどのような思いを持っているのか、またご家族が看護にどのように介入していければ良いかなども紹介していきます。

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終末期医療における患者さんとご家族の認識の違い

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医療現場ではたびたび患者さんサイドと医療者サイドで意見や認識の違いが起きます。医療は「順番」ではなく「病状」が優先されるため、患者さんが強い苦痛を感じている場合には納得できない場面も生じます。このように患者さんサイドと医療者サイドでは認識の違いがあるのです。

ご家族が求める「望ましい看護」

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神戸市看護大学看護学部の安藤悦子氏による「終末期がん患者の家族が認識する望ましい看護」の調査では、978名中616名から回答が得られました。 90%以上が「重要」「とても重要」と回答した項目には、「患者さんが清潔を保つよう援助する」「体の苦痛を和らげる」「ケアや処置を行う際に苦痛がないようにする」「患者さんが話せなくなっても思いを推しはかり丁寧に接する」「心の苦痛を和らげる」「患者さんの話をよく聞く」「自尊心に配慮した排泄の援助」「患者さんの希望を取り入れた看護」などが含まれています。 また、ご家族に対する看護としては「質問に誠実に答える」「病状や治療の説明を行う」「医師と家族の仲介役をする」「今後の経過を前もって説明する」「看取りできるよう支援する」などが挙げられました。

実際に挙げられた看護師への不満

自由記載では「臨終前・後で家族として何をすべきだったのか教えて欲しかった」「無表情で仕事をする看護師に不快感を感じた」「他の患者さんの話をしながらケアをされ粗末にされたと感じた」といった意見がありました。医療職の忙しさを理解していない場合、こうした不満につながることがあります。

在宅医療でご家族ができること

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在宅医療では看護師の介入だけでなく、ご家族が看護を担う場面が多くなります。 ご家族ができることとして、「そばにいる」「子供への対応」「疲れや感情の起伏への対応」が挙げられます。患者さんの一番の願いは、最期を迎える瞬間まで家族のそばにいることです。また、小さな子供がいる場合は年齢に合わせた説明が必要になります。感情的になる患者さんに対して、優しく声をかけることも重要です。

看護師を上手に活用する

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在宅医療では患者さん・ご家族・看護師の関係が密であるほど良いとされています。質問や不安は次回訪問までに整理しておくと伝えやすくなります。医師への希望や要望も看護師経由で伝えることで円滑に進むことがあります。

まとめ

在宅ケアにおける家族の看護は必要不可欠です。看護師を上手に活用し、看護師と良い関係を築くことが「良い看護」につながります。看護師との相性や対応に困った場合は、医療機関事務局などへ相談することも大切です。患者さんとご家族が安心して在宅医療を続けられる環境づくりが求められています。